大雨が降って、メディアで大雨警報が出されますが、この警報は一体どういう基準で出されているのかが昔から気になっていました。
何がどうなると、「大雨警報」が出されるのか?
このコラムでは、この「大雨警報・注意報」が出される基準について調べてみた内容をご紹介致します。
大雨警報とはなにか?
「大雨警報とは」大雨が原因になって、浸水災害(建物が浸水される状態)や、土砂災害(がけ崩れ、地滑り、土石流)などの人命に関わるような重大な災害が、発生する可能性がある場合に、それを警告する為に出されます。
大雨警報には、「浸水害(表面雨量指数基準)」と「土砂災害(土壌雨量指数基準)」の2つがあります。
項目 | 大雨警報 | 災害内容 |
災害名称 | 浸水災害(表面雨量指数基準) | 土砂災害(土壌指数基準) |
災害現象 | 建物への浸水 | がけ崩れ、地滑り、土石流 |
大雨警報になる基準はなにか?
では、「大雨警報」を発表するかしないかの判断基準はなにになるのでしょうか?
それについて、お伝え致します。
大雨警報の基準は地域によって違います。
それは地域によって、雨が少なくても土砂災害が起こる地質・地形もあるし、大量に降っても大丈夫な地域もあるからです。
地域ごとの警報・注意報発表基準一覧表というものが、気象庁から出されており、その基準値を超える降雨量があると、大雨警報・注意報が出されます。
東京品川区を例にとると次になります。
警報名 | 警報が出される基準) |
大雨警報(浸水害) | 表面雨量指数基準 17 |
大雨警報(土砂災害) | 土壌雨量指数基準 180 |
記録的短時間大雨情報 | 1時間雨量 100mm |
つまり、品川区の場合、表面雨量指数基準が17に達すると「大雨警報(浸水害)」を出し、土壌雨量指数基準が180に達すると、「大雨警報(土砂災害)」を出すというわけです。
また「記録的短時間大雨情報」という警報もあり、これは1時間雨量が100mmに達すると発表されます。
表面雨量指数基準とは
「表面雨量基準」とはどんな基準なのでしょうか。
表面雨量指数とは、短時間強雨による浸水危険度の高まりを把握するための指標です。
降った雨が地中に浸み込みやすい山地や水はけのよい傾斜地などの雨水が溜まりにくいところと、地表面の多くがアスファルトで覆われている都市部とでは、同じ雨量でも地表面に水が溜まる量は大きく違います。
表面雨量指数は、こうした地面の被覆状況や地質、地形勾配などを考慮して、降った雨が地表面にどれだけ溜まっているかを、「タンクモデル」という計算方法で算出しています。
表面雨量指数基準タンクモデルのイメージ図
画像出典元:気象庁
土壌雨量指数基準とは
「土壌雨量指数基準」とはどんな基準なのでしょうか。
土壌雨量指数とは、降った雨による土砂災害危険度の高まりを把握するための指標です。
大雨に伴って発生する土砂災害(がけ崩れ・土石流)が起こる要因には、現在降っている雨だけでなく、これまでに降った雨による土壌中の水分量が深く関係しています。
土壌雨量指数は、降った雨が土壌中に水分量としてどれだけ溜まっているかを、「タンクモデル」という計算方法を用いて数値化したものです。
これらの基準になる指数の計算は1km四方ごとに分けて、基準値を設けており、割り出しています。
土壌雨量指数基準のタンクモデルの
画像出典元:気象庁
単純に雨量で警報・注意を出しているのではなく、雨量以外の土壌、水はけ、今までの降った雨の含有量などを総合的に判断して、基準値を出しているのです。
キアラはこんな話ししりませんでした。
気象庁の警報・注意を出す基準は信憑性があるのですね。
洪水警報とは何か?
続いて洪水警報とはなにか?というお話です。
河川が増水・氾濫が起こって堤防やダムなどが、損傷・決壊するような、大きな災害が発生する可能性が出てきた場合に発表されます。
広域での発生ではなく、一部特定の河川に発生する災害は、「指定河川洪水警報」として、その特定地域を指定して警報を発表します。
河川ごとに「流域雨量指数基準」というもんが決められています。
例えば、神奈川県川崎市の矢上川流域の「流域雨量指数基準」は「14.4」と設定されており、この基準に達すると矢上川の洪水警報が発表されます。
まとめ
近年に於いては、雨での災害が増えていますね。
雨の降り方が昔と変わってきていて、局部的に激しく降る傾向が強まっている気がします。
このコラムを次にまとめます。
まとめ
警報が出たら、早めに避難しましょう。