常人逮捕(私人逮捕)による痴漢冤罪
あなたが、電車のなかで痴漢と誤解されてしまった場合は、駅員などから「常人(私人)逮捕」される場合があります。
えええ! 警察官でもない人があなたを逮捕する権利なんてあるの?
と思うかもしれませんが、
刑事訴訟法第213条では
[su_quote style="grid"]現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。[/su_quote]という法律があります。
この意味のポイントをまとめると。
(1)現行犯人の逮捕は、司法警察職員に限らず、逮捕状がなくても一般人問わず誰でも、行うことができるとされている。
(2)私人(常人)逮捕は犯人が、現に犯行を行っているか、行い終わったところに限る。また現行犯については逮捕して身柄を確保する必要が高い上に、誤認逮捕のおそれがないためである。
(3)私人逮捕を行うには次の条件を満たす必要がある。
・犯人が現行犯人、準現行犯人であること
・30万円以下の罰金、拘留、科料にあたる罪の場合(刑法では、過失傷害罪・侮辱罪)は、犯人の住居、氏名が明らかでなく、又は犯人が逃亡するおそれがある場合
だから、痴漢と間違えられるというのは結構やばいのです。
さらには、痴漢されていなくても「痴漢されたと虚言して」脅してくる女性もいます。
痴漢と間違えられる→駅員登場→駅員に私人逮捕(常人逮捕)
という流れが生まれてしまうのです。
それは「逮捕」「実名報道」「家庭崩壊」につながり、そこからは社会的信用を失い、職も失うという地獄への道に繋がっていく可能性もあります。
かりに、相手の女性が虚言犯だとしたら、その場合は「慰謝料として○○万円払ってくれれば警察には言わないから」と脅してくることになります。
仮にお金で解決したとしても、それは自分が痴漢をやったことを認めた事になりますから、色々な意味で大変なダメージを負うことになります。
後々それをネタに更に脅してくる可能性だってあります。
痴漢冤罪問題はかなり深刻な事態に発展することが十分ありえます。
膠原病で指が動かない男性が強制わいせつ罪で逮捕有罪判決が出た事件。
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推定有罪の刑事司法システム
痴漢で犯罪者になってしまうパターンは、電車の中で、
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「触らないでください!痴漢!」と女性に声を挙げられ腕を掴まれる
「痴漢なんかしてません!なにをいってるんですか!」と抗議
駅員が現れ、その駅員に向かって「痴漢なんかしてません!」主張する
駅員に「ひとまず,駅員室まで来て下さい。それから警察官が来ますから。」
と言われる。
すぐに警察官が来て,幾つかの会話があり「詳しいことは署で聞くから」と言われ、パトカーで警察署まで連れて行かれる
取り調べ室で「痴漢はやってない」と主張するもそのまま逮捕される
翌日には,検察庁、裁判所へ連れて行かれ、10日間の勾留が決定する
[/su_panel]川の流れのように、自分の意志とは関係なく痴漢を犯したというゴールに向かって、その川の急流に流されていくしかないのです。
これが「有罪推定」という警察・司法システムなのです。
電車の中で痴漢と思われた時の正しい対象方法
もし、電車の中で、「触らないで!!」「やめてください!!」などと言われたら、その時の対処方法は非常に大事です。
ここからは、そのときの2つの対処方法について紹介します。
走って逃げる
【メリット】
現在の警察・司法システムが「無罪推定」ではなく「有罪推定」という考え方で運営されていることを考えると、この走って逃げると言うのは、合理的な選択です。
つまり、女性の側が、痴漢行為をされたと証言した場合、証拠が何もなくても、警察に容疑者として勾留されます。
そして、多くの場合は有罪になります。
それは、女性の側の供述が痴漢という事実があったか否かの判断材料になるからです。
頭を傾げる司法システムだと思いますが、これが実態なのです。
なので、逃げてしまって、「刑事司法手続」に乗らなという選択肢もあると思います。
自分を守るためです。
【デメリット】
一旦は「刑事司法手続」から離れることが出来たとしても、駅の監視カメラ、SUICAカードの履歴などで、あとから所在を突き止められた場合は、この逃げたことがマイナスに働きます。
(1)勾留される可能性が高くなる
逮捕はされても勾留されないケースも少ないながらありますが、もし逃走してそのあと捕まった場合は、逃走する恐れがある人物だとみなされて、勾留されてしまう可能性が非常に高くなります。
(2)仮釈放が認められない
痴漢行為を否認し、無罪を主張し続けると起訴される可能性が高いです。
ですが、起訴されてから釈放されるケースが多いのですが、逃走した実績があると、逃走の可能性がある人物とみなされ、釈放されないリスクが高まります。
(3)裁判で不利になる
裁判の判決に影響するのは「情況証拠」です。
その「情況証拠」は被害者の証言も含まれますが、そのときに「その場で逃げた」というのも「情況証拠」として扱われます。
そしてそれは不利に働きます。
「逃げたということは、自分が罪を犯していると思っていたからですね」という判断材料になります。
以上逃げるのは3つのデメリットがあります。
弁護士に相談する。
これが、正道な方法です。
ではなんで弁護士に相談するのでしょうか?
電車の中で、「痴漢」と間違えられてから生じるのは、(1)逮捕(2)勾留の2つです。
まずは、この2つを避けるためには、弁護士の力を貸してもらうしかありません。
裁判になって、それに勝つために弁護士をやとうのではなく、その前の段階で弁護士の知恵を借りたほうが、最終的に有利に展開します。
それは、
(1)逮捕回避
(2)勾留回避
(3)勾留却下
この3つに尽力してもらうわけです。
まずは逮捕されないのが一番です。
逮捕されても勾留されないのが良いです。
勾留されたら、途中から解除してもらうのがよいです。
逮捕・勾留ともに、多大な精神的ストレスを負うのは明白でしょう。
これが、逃走をすると全部真逆に働きます。
まずは痴漢事件が得意な弁護士を探しましょう。
まとめ
実際に痴漢をしている人は、論外ですし、その人達は捕まって牢屋に入るべきだと思いますが、今の司法システムでいくと、電車の中で「痴漢!触らないで!」と言われたら、痴漢行為をしているかどうかは全く関係なく、痴漢犯としてのレッテルをハラれ、社会的な人格はほぼ失い、人生の谷底へとまっしくらに進むコースに足を半分いれた状態だと考えるのが妥当です。
これは、電車に乗るのは大きなリスクを背負っていると言っても過言ではありません。
そのことを踏まえて、痴漢冤罪に強い弁護士を調べておくことが重要ですね。
なぜかというと、「痴漢!触らないで!」と言われてから弁護士に来てもらうまでの時間が短ければ短いほど有利だからです。
事前にあたりを付けていないと、電車のなかで声を上げられてから、駅員室→警察官→警察署→検察庁→裁判所と流れていき、できるだけ川上にいる段階で、この川の流れから陸に上がりたいのです。
自分の身は自分で守るしかないのでしょうね。
嫌な時代です。