子供が大きくなり、実家を出てしまったために、もう飾ることが無くなった雛人形があるあなたへ。
- 収納スペースを取るし処分しなければと思いながら、正しい処分方法が分からない。
- 不要になったからと言って、普通に粗大ごみとして捨てて良いのか?
- もしかしたら高く売れるかもしれない。
などと考えあぐねていて、具体的な行動に移れていない方は以外に多いです。
仕舞ったままで、何年も放置するのは、中古品として売る場合の価値も下がっていきますし、縁起の面でも今まで邪気払い・厄払いを引き受けて来てくれた雛人形たちにとっても決して良いことではありません。
このコラムでは、雛人形を処分する前に必ずしておかなければならないことと、具体的な処分方法の詳細についてご紹介致します。
目次
雛人形を処分する前にやっておくこと
雛人形を処分する前にやっておきたいことがあります。
それは、次の四つです。
- 最後の思い出に一度雛人形を飾り、感謝の気持を伝える。
- 混入物のチェック
- 汚れを落とし綺麗にする
- 不足品が揃っているかをチェックする
一度飾ってみて、今までありがとうと感謝の気持ちを伝えましょう。
それと、箱から出し実際に飾ることで、写真などの雛人形本体とは関係なものが紛れ込んでいるのに気付いたりすることができます。
処分する場合は良いかもしれませんが、リユースされる場合には、色々と面倒ですので、そのチェックになります。
雛人形を飾ってみたら、今度は汚れをチェックして、見つけたらできるだけ綺麗にしましょう。
リユースの場合、綺麗であればあるほど価値が上がります。
また装備品が揃っているかも確認しましょう。
雛人形には細かいパーツがたくさんついているので、それを全部チェックしましょう。
リユースに出す場合には、装備品が全て揃っている方が価値が高くなりますし、これらの情報を相手に伝える必要がありますので、その意味で装備品のチェックは重要な作業です。
雛人形を処分するタイミングは?
雛人形は、邪気が入りやすい節句の時期に、女の子にそれが入ってこないように、邪気払い・厄除けをしてその1年間を幸せに、恵みを受けながら過ごすことができるよう祈願するために飾るものです。
女の子の身代わりになって邪気・厄を引き受けてくれている存在なのです。
その雛人形を処分するタイミングは飾られなくなった時です。
飾られないまま、年月が過ぎるというのは、とても可愛そうです。
考えられる、処分のタイミングは次になります。
雛人形を処分するタイミング
- 大学進学、就職、結婚などで娘が実家を出たとき
- 娘が成人した時
- 娘が飽きたとき
- 娘が中学生になったとき
- 引っ越して、収納スペースがない
以上のようなケースが考えられますが、厳密なルールはなく、娘が嫁に出ても雛人形を飾り、ひな祭りをするという方もいます。
どんな理由であれ、3月3日のひな祭りの時点で飾らなくなった時が処分するタイミングと言えます。
人形供養をする場合
雛人形は長年、娘のために邪気・厄を引き受け成長を見守ってくれてきた存在です。
粗大ごみに出すのは、忍びないという気持が湧くのは自然な感情でしょう。
雛人形への供養は複数の方法があります。
お寺へ依頼する
お寺で人形供養をしてもらう場合、そのお寺ごとに方法が異なります。
多くの例では、僧侶がお経を詠んだ後に、供養される人形をある程度まとめてお寺にてお焚き上げするというものです。
また、環境の点からお焚き上げはしないというお寺も増えて来ています。
多くのお寺で採用されている人形供養の内容は次になります。
人形供養をしてくれる殆どのお寺では、直接持ち込みを受け付けてくれます。
また、また宅配便やゆーパックなどの方法でお対応してくれるところもあります。
料金はそのお寺によって様々です。
人形一体あたり3,000円~30,000円としているお寺もあれば、何体人形供養をしても供養料は気持ち分とするお寺もあります。
お寺へ依頼する場合、その対応はそれぞれ違いますので、ネットなどでいくつか的を絞ったら、複数へ問い合わせをしてみて、納得のいく料金のところを選ぶと良いでしょう。
千葉県にある「長福寺」のように人形供養に歴史があり、遠方からも宅配便を使って対応してくれるお寺もありますが、近隣のお寺に聞いてみて、対応してくれることと料金面で納得がいくものならそこへ頼むのが一番お勧めです。
やはり、身近なところで供養してもらうのが安心です。
神社へ依頼する
お寺と同様、その神社によって対応が様々です。
神社の場合、ひな祭りの3月3日の人形供養を行い、2月中に受付の期限が設けられているところが多いですが、常時受け付けている神社もあります。
供養料は、玉串料として納める形になり、1体当たり3,000~30,000円程度が相場です。
尚、料金体系はその神社によって様々です。
人形の大きさによって料金を決めているところや、大きさに関係なく一体一律料金のとこもあります。
自分が住んでいる地域にある神社で対応してくれる場合は、そこへ依頼するのが一番安心です。
その地域の神様である氏神様がおられるのは、地域の神社になりますので、その神様に供養して頂くのが一番です。
日本人形協会へ依頼する
日本人形協会では、全国どこからでも申し込みが可能で、供養~処分代行してくれます。
人形供養の受付から、実施の通知までの流れは次になります。
ネットで申し込み→人形差し出しキットが届く→人形を梱包して発送→料金の支払い→人形供養の実施→完了通知
完全に流れが決まっていますので、手間・暇を考えるととても効率的と言えます。
料金は、一箱(袋) 5,000円になり、郵送料金、事務手数料金、供養料金などが含まれています。
この料金は、大きさ(縦+横+高さ=170cm以内)および重量(30kg以内)の条件にあてはまるものに限り、それを超えるものは別途料金が発生します。
※料金・条件が改定する可能性があるので、依頼する歳は「日本人形協会」のサイトで確認願います。
料金は明朗会計で分かりやすくて良いと思います。
人形供養代行サービス
人形供養を代行してくれるサービスはたくさんあります。
内容は、日本人形協会と同じようなもので、受付~供養までをネットと宅配便で行うというものです。
料金は5,000円近辺のところが多いです。
知人に譲る
供養・処分にお金を掛けたくない場合や、他の方に使って欲しい場合は、友人・知人に譲るのが良いでしょう。
長年ひな祭りを共に過ごしてきた、雛人形が自分の知っている人の家に飾られているというのは、嬉しいものです。
寄付をする
雛人形の寄付を受けつけている団体があります。
これらは処分するのではなく、リユースの需要に答えるための団体です。
代表的なところに「セカンドライフ」などがありますが、ネットでも申し込んで、引取に来てくれます。
但し、次の料金がかかります。
❏ダンボールのサイズが120cm以下
料金:1,480円
❏ダンボールのサイズが160cm以下
料金:1,980円
この手の団体は、処分するのではなく、ちゃんと使われているのかというのが少々心配ですが、環境配慮を目的として設立された団体が多いので、一定の信頼はあると考えられます。
対応や料金体系は様々ですが、供養してもらうよりは安価に済む場合が多く、環境の配慮に貢献できることと、処分ではなく誰かに使ってもらえるという点はメリットと言えます。
買い取り業者へ買ってもらう
買取業者へ買ってもらう方法があります。
これも、寄付する場合と同じでリユースされるという点が嬉しいと思います。
また、ものによって、買取店によって高値で買い取ってくれるケースもあり、その点では経済的なメリットもあります。
注意する必要があるのは、買い取りは1月~2月初旬に行うのが重要です。
ひな祭りの前の需要が高い時期に売ると、高く買い取ってもらえる可能性が高まるからです。
自治体へ問い合わせる
自治体によっては、資源を有効活用するためのリサイクルセンターが設置されているところがあります。
そこへ持ち込めば、抽選でやすく販売してくれます。
また、お金が掛からないところが多いのでお勧めです。
寄付を募集している施設を探す
老人ホームなどの福祉施設、保育園などでは、雛人形だけではなく、色々な寄付を募集しているところがあります。
雛人形の需要もあるので、普段からそのような募集があるかを探すことで、見つかる可能性はあります。
今まで、お世話になった人形達が福祉に役立つと思うと、嬉しさがありますね。
欠点は見つけるまでの時間がかかる可能性が高いということです。
オークションで販売する
ヤフーオークショでは、雛人形は普通に販売されており、検索すると何千件も出品されていますので、需要も供給も大きいと言えます。
この方法が経済的には一番お得です。
出品する時期は1月~2月頭にすることで、需要が高い時期になり高値で落札してもらう可能性が高まります。
これの欠点は、出品~代金回収~発送までの手間が大変だという点です。
粗大ごみに出す
自治体の粗大ごみとして出すことで処分します。
自治体によって、処分の方法、粗大ごみか普通のゴミか、燃えるゴミかそうでないかは様々ですが、費用的に安く上がるのは間違いないでしょう。
気持の面で辛いものがありますが、処分費用としては一番安く済み、手間もかかりません。
廃品回収業者へ依頼
廃品回収業者へ依頼する方法もネットから引取依頼をして、引取に来てもらうことができて非常に楽です。
あとは、処分費用は様々なので、費用的に納得がいくところを探すと良いでしょう。
自治体の粗大ごみよりは、高くなりますが、手間の面では、こちらの方が楽です。
終わりに
雛人形の処分にはたくさんの方法があります。
かかる費用、手間、自分の気持と相談しながら一番最適な処分方法を見つけると良いでしょう。
今までありがとうという気持を持ちながら、処分することが重要ですね。
精神的に安心なのは、ちゃんと供養できるという意味で、お寺や神社へ依頼するのが良いかもしれません。
また、経済面を考えると、ヤフオクなどで販売するのが良いですが、手間がかかりますね。
個人的には、どこかの施設へ寄付して、そこで飾られて、みんなに鑑賞してもらうのが良いな~と思います。