旦部 幸博著の「珈琲の世界史」のブックレビューです。
私は珈琲通とうわけではありませんが、好きな飲物の一つです。
毎日2杯ほど平均して飲みます。
でも味が美味しいという感じよりも、何故かコーヒーを飲んでいるときは、気分が落ち着いてホッとするのです。
このホッとするために飲んでいるのだと思います。
内容紹介
ヒトが何かを食べるとき、その食べ物に込められた「物語」も一緒に味わっている――そんなセリフを聞いたことはないでしょうか。
コーヒーはまさにその最たる例です。カップ一杯のコーヒーの中には、芳醇なロマンに満ちた「物語」の数々が溶け込んでいます。その液体を口にするとき、私たちはその中の「物語」も同時に味わっているのです。コーヒーの歴史を知ることは、その「物語」を読み解くことに他なりません。歴史のロマンを玩味するにせよ、知識欲の渇きを潤すにせよ、深く知れば知るほどに、その味わいもまた深まるというもの。一杯のコーヒーに潜んだその歴史を、この本で一緒に辿ってみましょう。
先史時代から今現在に至るまで、コーヒーが辿った歴史を、起源に関する最新仮説なども交えながら、できるだけわかりやすく本書にまとめました。近年話題の「スペシャルティ」「サードウェーブ」「純喫茶」なども、じつは混乱の多い言葉なのですが、それぞれの歴史をきちんと知れば、「なるほど、そうだったのか!」と目からウロコが落ちて、すっきり理解できることでしょう。
「イギリス近代化の陰にコーヒーあり」「フランス革命の陰にもコーヒーあり?!」「世界のコーヒーをナポレオンが変えた?」「コーヒーで成り上がった億万長者たち」「東西冷戦とコーヒーの意外な関係」……などなど、学校で歴史の時間に習ったいろんな出来事が、じつは意外なかたちでコーヒーとつながっていることに、きっと驚かされるでしょう。
――「はじめに」より、一部抜粋
目次
序章 コーヒーの基礎知識
1章 コーヒー前史
2章 コーヒーはじまりの物語
3章 イスラーム世界からヨーロッパへ
4章 コーヒーハウスとカフェの時代
5章 コーヒーノキ、世界にはばたく
6章 コーヒーブームはナポレオンが生んだ?
7章 19世紀の生産事情あれこれ
8章 黄金時代の終わり
9章 コーヒーの日本史
10章 スペシャルティコーヒーをめぐって
終章 コーヒー新世紀の到来
著者 旦部 幸博 プロフィール
1969年、長崎県生まれ。京都大学大学院薬学研究科修了後、博士課程在籍中に滋賀医科大学助手へ。現在、同大学助教。医学博士。専門は、がんに関する遺伝子学、微生物学。人気コーヒーサイト「百珈苑」主宰。自家焙煎店や企業向けのセミナーで、コーヒーの香味や健康に関する講師を務める。著書に『コーヒーの科学』(講談社ブルーバックス)、『コーヒー おいしさの方程式』(共著、NHK出版)がある。
ブックレビュー
コーヒーを飲み始めたのはヨーロッパ人だと思っていましたが、中東が最初にコーヒを飲む習慣を持ち始め、そこでは、手回し式の焙煎機やミルという道具も考案され、広く人々に愛飲されコーヒー専門店というものが最初に立ち並び始めたそうです。
これは以外でした。
個人的には中東とコーヒーっていまいちイメージが一致しなのですが。
ヨーロッパに広まったのは中東の後で、イギリス、フランスではどんどんカフェができて、今の状態に至る。
街なかの必需品になったカフェですが、何故かドイツは宅飲み文化が浸透して、カフェよりも宅飲み派が多数を占めているそうです。
これらのコーヒー愛飲者が中東からヨーロッパへと波及していき、その需要規模はどんどんと大きくなっていき、それにともなって生産体制も規模も巨大になり、そこに従事する人の人口も増えていった。
それを追って日本は、戦後からコーヒー愛飲者の人口は年々と増やしていった。
その中で、お客様の注文を聞いてから豆をひき、一杯づつ淹れてお出しするという丁寧な方法は、私達日本人にとっては、普通であり全く違和感はないので
すが、こんな淹れ方をしてるのは日本だけだそうです。
そして焙煎や抽出の技術も世界的にみると、独特の技術を確立しており、ガラパゴス的に独自の発展を遂げているのが、日本のコーヒー文化だそうです。
この手の飲み物に、誰に教わったわけでもなく、それを美味しくするために工夫をこらし、改善を重ねて味の向上をし続けることで生まれる技術は、やはり
日本はものづくりの国なんだと思います。
勝手に磨き始めちゃうという文化というか、美学みたいなものが、DNAに刻み込まれているんだと思いました。
歴史での教育では、中国から漢字は入ってくるまでは、日本人は読み書きができなかったと言われていますが、これは嘘なんじゃないかと思ってしまいます。
日本語には、漢字はもとより、ひらがな、かたかな、日本語英語などがあり、漢字をタダ真似て使っているだけではなく、それをユニークで便利な形により発展させた言語に進化させて使っています。
もともと読み書きが出来なかった民族では考えられない知性を持っていと思います。