七夕そうめんとは?実は結構昔からある習慣なのです!

七夕にそうめんを食べる地域があるのですが、ご存知でしょうか。

わたしは最近知りました。

 

七夕とそうめんがなんらかの繋がりがあるなんて想像だにしていなかったのです。

しかし、この習慣は相当古くからある歴史のあるものらしいのです。

このコラムでは、七夕そうめんについての内容、歴史についてご紹介致します。

七夕とそうめんとの関係


そもそも節供に旬のものを食べて、邪気を祓ったり病気にならないように健康を願ったりする風習が日本にはたくさんあります。

そして、七夕にそうめんを食べる習慣というのが一部の地方で、相当昔からあるそうです。

その昔とはなんと、平安時代です。

平安時代の927年に、宮中の作法と儀式をまとめた法典が作られ、七夕にそうめんを食すという行事が定められたのです。

そして、当時はいまのようなそうめんは存在しておらず、索餅(さくべい)という、中国伝来の麺料理があり、それは小麦粉と米粉を混ぜて作られるものでした。

この麺は醤(ひしお)や酢につけて食べられていたそうです。

中国にはマラリア性説秒を死んだ子供が流行らせたという伝説があります。

国の貴族の子供が7月7日に亡くなリ、その子供が死んでから鬼に化し町にマラリア性の熱病を撒き散らし大勢が死の淵に追い込まれました。

大変なことになってしまい、人々はそれを押さえる方法を考えた挙げ句、子供の好物であった索餅を供えればよいのではないかと考え、それをあげるとまたたく間に鬼が静まり熱病はなくなりました。

この出来事以来、毎年7月7日になると索餅をお供えして、病気が流行らないように願うことが習慣になったと言われています。
この習慣を日本も取り入れ定着していったのです。

そして、索餅がそうめんへと変わっていき、今でもその習慣が残っているのです。
 

七夕にそうめんを食べる複数の理由


中国の言い伝えによって七夕にそうめんを食べるという習慣が生まれたという理由以外にも、複数の説があります。

日本の風習のほとんどは、複数の理由をこじつけて導入されています。

七夕は乞巧奠(きこうでん)というお祭りから来てきますが、この祭りの意図は着物を織る技術の上達することが願われていました。
そうめんは細くて白いので、織物の糸に見立て、この織物と関係が深いと考えられていることから、うまれたという説もあります。
白い糸のようなそうめんを食べながら、織物の上達を願っていたということになります。

七夕そうめんの複数の由来

・天の川や織姫の織り糸に見立てられて生まれた。
・七夕の天の川伝説にからめて、そうめんを天の川のようだとイメージして生まれた。
・夏の体力消耗に備え、7月7日に栄養が豊富なそうめんを食べることで生まれた。
・小麦の収穫を神様に報告する意図で食べ始めたことによって生まれた。

などの説もあり、複数の説が折り重なって生まれたという気がします。

これも知りませんでしたが、7月7日は「七夕・そうめんの日」と定められていています。

暑さで食欲が減退する初夏の時期におしいそうめんを食べるために、色々と理由をつけて風習化するというのは、ある意味とても合理的だと思います。

その意味では、夏に入る時期にそうめんを食べたいから色々な理由を付けて、定着した習慣とも言える気がします。
 

色付きそうめん


そうめんには色付きそうめんがありますが、それには意味があります。

陰陽五行の五色(ごしき)に由来し、「青・赤・黄・白・黒」の五色には厄除けの効果があると考えられています。

七夕のときに歌う「たなばたさま」の歌詞にも「五しきのたんざく」という言葉が出てきます。

色付きそうめんにもこの五色が使われているのは、万物を表し、厄よけをする意味がこめられているためです。

元来は五色のそうめんが食べられていましたが、五色揃えるのは手間なために色付き一色のそうめんを食べることが多くなりました。
 

七夕そうめんを食べる地域

七夕そうめんは全国にある習慣ではなく、地域性があるようです。

関東にはこのような習慣があるというのを聞いたことがありません。

七夕にそうめんを食べる風習が見られるのは、仙台を中心とした東北地方と北海道という限られた地域のようです。

しかし長野県などは、あんこやきな粉をからめて食べる「七夕ほうとう」がありますし、九州の一部地域では、みょうがの葉にあんこ入りの団子をくるんで蒸した「みょうが饅頭」をお供えする習慣があります。

地域によってそうめんではないものを食べて、厄除け、無病息災を願うという風習はわりと広くに定着しているようです。
 

まとめ


日本の風習は本当に、こじつけや語呂合わせから来ているものが多いです。

何かをしたいことがあると、それにあの手この手で意味を付加し風習化してしまう不思議な柔軟性があるのだと思います。

七夕そうめんなんて、ステキだと思います。

7月7日にさっぱりしたそうめんをすするのは、なんとも風情があるし、おいしいです。

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