秋が深まる今日この頃、勤労感謝の日が近づいていきましたね。
この日は、祝日なのか祭日なのかどっちなのでしょうか?
このコラムでは、そんな疑問にお答えします。
祝日と祭日の違いは?
祝日と祭日の違いはなんでしょうか?
私も最近まで知りませんでした。
「祭日」とは、その字が表すとおり「お祭りの日」です。
このお祭りの日とはなにかというと、皇室を中心とした神道のお祭りの日を指します。
普通にしていると、お祭りの日なんて思い当たらないかもしれません。
町内で祭り行事をやっているところに住んでいる方は、祭りをやる日が来ても
その日が祭りの日だとは思ってはいないでしょう。
たまたま、自分の町内だけが勝手にやっている祭りなのだから、普通の日曜日にやっているという認識だと思います。
「まつり」という言葉は、「祀る」の名詞形で、本来は神を祀ることを指します。
現在でも地鎮祭、祈願祭などの祭りがそれにあたり、日本古代において、祭祀を司る者と政治を司る者が一致した祭政一致の体制であったため、政治のことを政(まつりごと)とも呼びます。
宗教に対する意識が薄れる現代に於いては、神を祀るという意味合は薄れ、賑やかな催事・イベントとして、楽しまれているのが実態でしょう。
そして、祭日というのは、第二次世界大戦後になくなりました。
GHQとしては、「天皇を中心とした神の国」という意識を徹底的に消去したかったので、祭日という日は全てなくし、祝日に変えさせられたというわけです。
その目的のために、昭和23(1948)年7月20日に、祝日法という法律が施行されました。
では、なぜ祭日と言う言葉が残っているのかというと、きっと、「祭日」という言葉を使っている人がいて、それが引き継がれているという要因が1つ。
それと、祭りというイベントそのものは、各地で行われているので、そのイメージから「祭りの日」がまだ存在しているという意識が私達のどっかにあるため、まだ使われているのだと思います。
次は祝日・祭日表を一覧にしました。
名称 | 日付 | 祭日行事 |
元日 | 1月1日 | - |
成人の日 | 1月の第2月曜 | - |
建国記念の日 | 2月11日 | 紀元節祭 |
春分の日 | 3月19日~3月21日 | 春季皇霊祭 |
昭和の日 | 4月29日 | 天皇誕生日 |
憲法記念日 | 5月3日 | - |
みどりの日 | 5月4日 | - |
こどもの日 | 5月5日 | - |
海の日 | 7月の第3月曜日 | - |
敬老の日 | 9月の第3月曜日 | - |
秋分の日 | 9月22日~9月24日 | 秋季皇霊祭 |
体育の日 | 10月の第2月曜日 | - |
文化の日 | 11月3日 | 明治節 |
勤労感謝の日 | 11月23日 | 新嘗祭(しんじょうさい) |
天皇誕生日 | 12月23日 | - |
祭事名 | 儀式の内容 |
紀元節祭 | 神武天皇の即位日。 |
春季皇霊祭 | 五穀豊穣を祈る行事。 |
天皇誕生日 | 今上天皇の誕生日。 |
秋季皇霊祭 | 収穫に感謝する行事。 |
明治節 | 明治天皇の誕生日。 |
新嘗祭(しんじょうさい) | 収穫祭。天皇が五穀の新穀を神に進め、 それを自身も食べる行事。 |
国民の祝日にならなかった祭日
1948年の法改正により、廃止となった祭日は以下の通り。
祭事名 | 日付 | 儀式の内容 |
元始祭 | 1月3日 | 皇位の元始を祝ぐ儀式。 |
新年宴会 | 1月5日 | 新年の到来を祝う宴会。 |
神武天皇祭 | 4月3日 | 初代天皇である神武天皇の崩御日。 |
神嘗祭 | 10月17日 | 五穀豊穣の感謝祭。 |
大正天皇祭 | 12月25日 | 大正天皇崩御日。 |
祝日とは
祝日とは「国民の祝日に関する法律」(1948年(昭和23年)法律第178号。以下「祝日法」)第2条で「国民の祝日」として定められています。
年間15日(2016年からは16日)の祝日があり、(建国記念の日のみ政令で定める日となっています)。
名称 | 日付 | 内容 | 備考 |
元日 | 1月1日 | 年のはじめを祝う日。 | かつての四方節。 |
成人の日 | 1月の第2月曜日 | おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます日。 |
由来は小正月からきている。 1999年までは1月15日だったが、ハッピーマンデー制度により、曜日固定に移行。 |
建国記念の日 | 2月11日(政令で定める日) | 建国をしのび、国を愛する心を養う日。 | かつての紀元節。 |
春分の日 | 春分日 | 自然を讃え、生物を慈しむ日。 | かつての春季皇霊祭。国立天文台「暦象年表」に基づき閣議決定される。 |
昭和の日 | 4月29日 | 激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす日。 |
かつての天長節。昭和天皇の誕生日。 1989年〜2006年はみどりの日。 1988年以前は天皇誕生日。 |
憲法記念日 | 5月3日 | 日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する。 | 日本国憲法が施行された日。 |
みどりの日 | 5月4日 | 自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ日。 | 元々は4月29日だったが2007年以降「国民の休日」であった5月4日に移動。 |
こどもの日 | 5月5日 | こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する日。 | 端午の節句。 |
海の日 | 7月の第3月曜日 | 海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う日。 | 2002年までは7月20日。ハッピーマンデー制度により、曜日固定に移行。 |
山の日 | 8月11日 | 山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する日。 | 2016年より施行。 |
敬老の日 | 9月の第3月曜日 | 多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う日。 | 2002年までは9月15日。ハッピーマンデー制度により、曜日固定に移行。 |
秋分の日 | 秋分日 | 祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ日。 | かつての秋季皇霊祭。国立天文台「暦象年表」に基づき閣議決定される。 |
体育の日 | 10月の第2月曜日 | スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう日。 | 1999年までは10月10日。ハッピーマンデー制度により、曜日固定に移行。 |
文化の日 | 11月3日 | 自由と平和を愛し、文化をすすめる日。 |
日本国憲法が公布された日。 かつての明治節。 |
勤労感謝の日 | 11月23日 | 勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう日。 | 新嘗祭が行なわれる日。 |
天皇誕生日 | 12月23日 | 天皇の誕生日を祝う日。 | 今上天皇の誕生日。 |
※ハッピーマンデー制度とは祝日と週休2日制をつなげ、3連休以上の期間を増やすため、国民の祝日の一部を従来の日付から特定の月曜日に移動させる制度こと。
なお、「祝日法」に定められた休日は、これ以外にもあります。
◯「振替休日」~日曜日と祝日が重なった場合、翌日以降の祝日ではない日を「振替休日」として休日にする。
◯「国民の休日」~1986年の法律改正により、祝日と祝日の間に挟まれた平日を「国民の休日」として、休みにすることになった。
※普通の日曜日は「休日」と言います。
まとめ
祝日と祭日の違いについてはいかがだったでしょうか。
私はこのことを調べたとき、「戦前にあった日本人の精神性をいかに消し去るか」という当時のGHQの方針によって、生まれたのが祝日だったということを知りました。
宗教にはあまり興味はありませんが、祭りとは農耕民族として、豊穣に感謝をするための日でもあるのです。
このことを知ったとき、この国の土地に感謝をし、自然が生み出してくれる穀物に感謝をするという気持ちを持ちたいと思うようになりました。
↓勤労感謝の日おすすめのコラム