節分の豆蒔きの正しいやり方と注意点

節分の豆撒きという行事は、色々とお作法があるのですが、以外にそれをご存知ないかたが多い気がします。

例えば、鬼は五種類いて、その色によってご利益が違うのですが、それを知っている方は少数派でしょう。

そんなに堅苦しくせず、少々お作法とは離れたやり方をしても良いという考え方もありますが、復習の意味で正しい豆蒔きのやり方について、お伝え致します。

その上で、柔軟にやり方を変えて行うのが良いと思います。

節分の意味や由来などについては次のコラムをご参照願います。

節分の豆蒔きに必要なもの


節分の豆蒔きに必要な物を、は二つだけです。

福豆(炒った豆)


福豆とは炒った豆のことを言います。

豆を節分の日の前日に、それを炒り、豆蒔きをする夜まで三方に入れて神棚にお供えします。

陰陽五行では鬼は火を苦手としているという考え方があり、それを取り入れているので、豆は生ではなく火を通すことで鬼祓い(邪気払い)の効果が上がると言われています。

また、生のままだと蒔いた後に拾い漏れした豆の芽がでる可能性があり、縁起が悪いとされます。

地域によっては、落花生を使うところもあり、実は使い勝手が良いのです。
これは下の項目でご紹介します。

 

お面


鬼、お多福のお面。

特に決まりはありませんが、鬼とお多福を揃えるところが多いです。

尚、鬼の色は5色あり、仏教ではその色によってご利益が決まっています。

❏仏教による鬼別のご利益

種類 煩悩 豆蒔き時の効果
赤鬼 貪欲(どんよく) 全ての悪心の象徴で、豆をぶつけることで自分の中の悪い心が
り除かれる
青鬼 怒り・貧相 自分自身に豆をぶつけることで、徳を呼びこむ
黄鬼(白鬼) 我執(がしゅう) 自己中心的な甘えを反省し、豆をぶつける
緑鬼 不健康 不摂生を反省し、健康を願って豆をぶつける
黒鬼 愚痴 卑しい気持ちを追い払い、豆をぶつけて平穏を願う

全色揃える必要はないと思いますが、知識として知っておくと良いかと思います。

お面にお金を掛けたくない場合は、素材をダウンロードして、印刷して使う方法もあります。

 

節分の豆蒔きの手順


豆蒔きの手順をご紹介致します。

Step1 節分の日付を確認します。
殆どの年は2月3日が節分ですが、2025年は2月2日になり、それ以降にも2月2日、4日が節分になる年がありますので、確認が必要です。

Step2 夜に行う。
鬼は真夜中にやってくるので、豆まきは夜が適しています。
必ず家族全員揃ってから行いましょう。

Step3 豆を蒔く人を決める。
夜に準備ができたら、豆を蒔く人を決めます。
基本は家を預かる家長の方が豆を蒔きますが、その年の年男年女や厄年の人がいる場合には、その人がまくのが良いとされています。

年男年女の方は邪気を払う力が強く、厄年の方は自分の厄をこの機会に払うことができるということから良いとされています。

Step4 「鬼は外!福は内!」と言いながら豆を撒く
まず、家の玄関や窓を開けて奥の部屋から順番に「鬼は外!」と言いながら豆を撒き、鬼がその部屋から外に向かって逃げて行くイメージで蒔いていき、最後は玄関に蒔き鬼を外へ追い払ったら、素早く扉・窓を閉めます。

次は「福は内!」と言いながら胸の辺りで枡を持ち、そこから撒くような感じで部屋の中に撒きましょう。

尚、掛け声の数、蒔く回数などは地方によっては違ってきますので、地元の方に聞くと良いでしょう。

Step5 豆を食べる
豆まきが終わったらそのまいた豆を、自分の年齢プラス1個拾い、今年1年の厄除けと幸せ・恵みを願いながら、食べます。

豆には食べると「健康(まめ)になる」という意味もあります。

自分の年齢プラス1個食べるところが多いですが、地方によっては、数え年の分だけだったり、満年齢から2つ多く食べるところなど、かなりばらつきがあります。

尚、年齢が増えると、たくさんの豆を食べなければならなくなりますので、全部は無理というときもあるでしょう。

その場合は豆を食べるのはやめて、福茶を飲むことで代用ができます。

福茶の詳細は下の項でご説明します。

 

節分の豆撒きに落花生を使うのはあり?


最近では、節分に豆ではなく落花生を撒くとうご家庭が増えています。

また、地域によっては元々落花生で行うというところもあります。

主に北海道、東北、信越地方がそうなのですが、落花生の方が合理的な面が多いというのがやってみると分かります。

実際に豆を蒔くと、床に落ちた豆を食べるのは気持ち悪いということで、蒔いた豆は捨てて蒔いていない豆を食べるケースが多くあります。

しかし、落花生は殻付きで蒔くのでそれをそのまま食べることができます。

蒔いたときに、豆のように転がって遠くに飛散せず、ふわふわとなげた近辺に落ちるので、拾うのも楽です。

清潔で楽でしかも蒔いたものを食べるので、豆蒔き本来の意味も成しています。

一点気がかりなのは、鬼が苦手な火を通していないという点でしょうか。

 

節分には福茶がおすすめ


子供の頃は蒔いた豆を食べながら、数が少なくて足りないと思っていました。

しかし、年齢を重ねると、その分食べる量が増えるので食べ切れないことが多くなります。

また、近年では恵方巻き←を食べる習慣が広まっており、豆よりもそちらに胃袋を回したいというときもあるでしょう。

そんなときにおすすめなのが福茶です。


福茶は、節分の豆蒔きをしなくても、したと同じ効果があるとされています。

新年に初めて汲んだ水(初水)でたてるお茶を「福茶」といい、これを飲むことで今年1年の邪気が祓えるという縁起のいいお茶なのです。

節分は旧暦では大晦日だったことから、昔は新年を迎えるための行事でもあり、福茶を飲んで邪気をはらう風習生まれたようです。

福茶のつくり方

<材料>(湯のみ1杯分)
・福豆3粒(香ばしく炒ったものを使うと美味しいです)
・塩昆布、または昆布の佃煮少々
・梅干1粒(種をとっておきます)
・熱湯180cc(お好みで緑茶でもOK)

<淹れ方>
材料を全部入れ、熱湯を注げば出来上がり!簡単ですね~。

もし材料が揃わない場合は、福豆にお茶を注いだだけのものでも大丈夫です。

終わりに


豆蒔きは結構細かいお作法がありますが、それをあまり気にしないで行った方が良いと思います。

お子様が楽しめることの方が大事でしょう。

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