ひな祭りと言えば「ひなあられ」「ちらし寿司」などを食べるご家庭が多いですね。
それ以外にも、縁起物のひな祭りの食べ物があり、全て意味があります。
ひな祭りは、子供の厄除けと健康と幸せを祈願するための行事ですが、それに絡む食べ物が色々とあるのです。
このコラムでは、ひな祭りに食べる縁起物の食べ物と、その意味・由来についてご紹介致します。
目次
ひな祭りでの食べ物
ひな祭りに食べる代表的な食べ物をあげてみます。
これらの食べ物には、それを食べる意味があり縁起物になります。
結構知らないものも入っているのではないでしょうか。
- ちらし寿司
- ひなあられ
- 菱餅(ひしもち)
- 白酒
- はまぐりのお吸い物
- 手まり寿司
- 桜餅
- さざえのつぼ焼き
- 桜鯛の塩焼き
- 鰈(カレイ)の煮付け
ひな祭りの食べ物、その意味と由来
それでは、それぞれの食べ物の意味・由来をご紹介致します。
1ちらし寿司
誰もが知っているちらし寿司です。
❏意味
実はちらし寿司そのものには意味がありません。(笑)
しかし、ちらし寿司に使われている具には、とても縁起がよいものばかりが入っています。
寿司は寿(ことぶき)を司(つかさど)る、昆布は「喜ぶ」の言葉にかけて一家発展、ごぼうは細く長く地中にしっかり根を張ることから「細く長く幸せに」生きることができるなど、それぞれの具の多くは縁起の良いものです。
❏由来
今のひな祭りの形は、平安時代に出来上がったと言われていますが、元々な「なれずし」という「魚を飯に漬けて発酵させた食品」を食べていました。
このなれずしは海老と菜の花を入れただけの、とてもシンプルなものでしたが、ひな祭りは回を重ねるごとに豪華なものになっていき、その過程で見た目も具も華やかなちらし寿司を食べるように切り替わっていったというのが、起源だと言われています。
2ひなあられ
ひなあられを食べるのは、多分ひなまつりのときだけでしょう。
餅に砂糖を絡めて、それを炒ったもの「ひなあられ」です。
色が4色もあって、とてもカラフルですね。
❏意味
ひなあれらの意味はその色にあります。
桃、緑、黄、白の4色あり、それぞれ四季を表しており「1年中娘が幸せに過ごせるように」という願いが込められています。
色 | 意味 |
桃 | 桜の花をイメージで春を意味する |
緑 | 新緑の青さを持つ木々のイメージで夏を意味する |
黄色 | 紅葉のイメージで秋を意味する |
白 | 雪のイメージで冬を意味する |
❏由来
ひなあられが誕生したきっかけは江戸時代に行われていた「雛の国見せ」と呼ばれる雛遊びの習慣に由来します。
雛の国見せとは女の子たちがひな人形を屋外へ持ち出して、野山や河川、磯など美しい春の景色をひな人形に見せてあげるというものです。
この際に、でかけた先で腹が減ったときに食べるために親たちが子供に持たせたのが、ひなあられです。
ひなあられは菱餅を食べやすいサイズに小さく砕いて、子供に渡していたことから生まれたお菓子と考えられています。
菱餅の色は桃・緑・白の三色ですが、ひなあられの原型だったことの証左であると言えるでしょう。
3菱餅(ひしもち)
これもひな祭りに登場する代表的なお食べ物です。
桃・緑・白がカラフルで見た感じ、一見蒲鉾のような外見ですね。
❏意味
菱餅は色に意味があるのと、色の部分毎に入っている栄養素に効果があります。
【菱餅の色の意味と効果】
色 | 意味 | 素材の効果 |
ピンク色 | 魔除け、雪がとけて桃の花が咲く | クチナシによる解毒作用 |
緑色 | 健康や長寿、大地 | よもぎによる増血効果 |
白色 | 清浄、雪 | ひしの実による血圧を下げる効果 |
❏由来
菱餅のルーツは、中国由来のものになります。
古代中国では、上巳節という3月最初の巳の日に、厄払いをする行事が行われていました。
この上巳節には、母子草(ははこぐさ)を入れたお餅を食べる風習がありました。
この母子草とは御形(ごぎょう)のことで、春の七草の一つになります。
この風習が日本に伝来しますが、母子草という名前から、母と子をついてもちにするというのは縁起が悪いと考えられ、それに替わり蓬(よもぎ)を入れるようになったのです。
この蓬餅だけだったものに、白、ピンクが増えていったことで、今の三色の菱餅ができたと考えられます。
4白酒
白酒もひな祭りで飲まれるお酒です。
もちろん大人が飲みますが、子供ならノンアルコールの甘酒を飲むのは良いと思います。
❏意味
桃には邪気を祓い、気力や体力の充実をもたらす効果があると考えられていたため、もともとは桃の花びらを漬けた「桃花酒(とうかしゅ)」というものが飲まれていましたが、江戸時代に入ると、みりんに蒸した米や麹を混ぜて1カ月ほど熟成させた「白酒」が飲まれるようになりました。
❏由来
桃花酒が白酒に代わっていったのには、ある伝説によるという説があります。
それは、「お腹に大蛇を宿してしまった女性が、3月3日に白酒を飲んだところ、お腹の大蛇が流産した」という言い伝えです。
この伝説から、お母さんのお腹に悪い子が宿らないようにという願いから、白酒が飲まれるようになったというわけです。
5はまぐりのお吸い物
はまぐりのお吸い物もひな祭りの人気メニューですね。
❏意味
はまぐりの貝殻は、対になっている貝殻でないとぴったりと合わないので、このことから、仲の良い夫婦の象徴になり、一生一人の人と添い遂げることができるようにという願いが込められています。
❏由来
平安貴族の間で流行っていた遊びに「具合わせ遊び」というものがあります。
これは、90個以上の貝殻を並べてひとつの貝殻に合う貝を見つけるという、今で言うとトランプの神経衰弱に似た遊びです。
さらには、貝殻の色合いや形の美しさや珍しさを比べたり、その貝の形や色を題材にして歌を詠み競うなどの遊びにもなりました。
その関連で、はまぐりは「具合わせ」の道具になっており、とても縁起の良いものとされてきたのです。
このことから、はまぐりをお吸い物にして食すという風習が生まれたと言われています。
6手まり寿司
てまり寿司は、ひな祭りだけではありませんが、近年人気が出てきている食べ物です。
具材のチョイスが広範囲に渡っており、それによってひな祭りの華やかさに合わせてデザインできることと、見た目が丸くてかわいいことから、女の子のお祭りであるひな祭り料理の用途としての需要が高まっています。
小さめにしてキャラ弁みたいなデザインで握れば、お子様向けバージョンが生まれて、人気がさらにアップするかもしれません。
7桜餅
桜餅は、年中食べおものですが、ひな祭りに食べる方が増えています。
ですが、縁起ものとしても意味も由来も無いというのが事実だと思います。
そして、桜餅を食べる人が増えている要因は「桃の節句にピンクの餅はイメージ的にピッタリ」「桜餅は桜とピンクが春を感じさせてくれる」「ピンクという色が女の子向けの行事にピッタリ」などがあげられると思います。
先に上げている菱餅はひな祭りの定番の食べ物でではありますが、あまり美味しいものとは言えませんので、そのかわりに桜餅を食べるというのは、良いと思います。
8サザエ
サザエはわりと知られていませんが、ひな祭りに縁起が良いとされている食べ物です。
❏意味
サザエの感じは「栄螺」と書きますが、これを「三三栄」と置き換えると、3月3日に栄えるという意味になることから、益々栄えることを祈願しながら食べるようになったと言われています。
また、3月のサザエは初物になり、縁起が良いとされています。
❏由来
ひな祭りにはまぐりを食べるのは先に述べたように、平安時代からだとされていますが、サザエはもっと後の江戸時代の初期の頃からだと言われています。
9桜鯛
ひな祭りに鯛を食べるところも結構あります。
❏意味
「紅白」の食べ物の代表になっていることと、「めでたい」という語呂の合わせから縁起が良いとされています。
鯛は冬から春にかけて旬を迎えますが、3月の鯛は産卵前でたっぷりと脂が乗っており、色も桜のように綺麗なので「桜鯛」と呼ばれています。
10鰈(カレイ)
ひな祭りだけではなく、お祝いの席全般で出てくるのが、カレイです。
❏意味
カレイも縁起物で、特に「子持ちかれい」はお腹に卵をたくさん抱えていることから「子宝に恵まれる」として、昔から縁起物として食べられて来ました。
宮中や貴族の間では、高級な鯛が食べられ、多く出回っていたカレイが一般庶民に広がったのではないかと思います。
終わりに
ひな祭りには、ひな人形を飾り、ちらし寿司をと、はまぐりのお吸い物を食べて、ひなあられをおやつにするという風景は、もしかしたら徐々に無くなって来ているのかもしれません。
正直、私キアラはひなあられと、菱餅は美味しくないと子供の頃から思っていまいた。
その点桜餅は美味しいですし、てまり寿司ネタが生臭くないものにすれば、子供も喜ぶでしょう。
少しずつ今の子供の舌に合うものが流行ると良いと思います。