NHKの受信契約はワンセグ携帯所持でも契約義務があるの?最高裁判所の判決が出た!

2019年(平成31年)3月12日、NHKの受信契約義務に関する極めて衝撃的な判決が出ました。

2015年にNHKから国民を守る党所属で、埼玉県朝霞市の市議会議員である大橋昌信氏は、ワンセグ携帯を所持しておりそれによってNHKとの契約義務は存在しないという訴えを起こしていました。

その裁判が、高裁→最高裁まで上告されましたが、最高裁からそれが退けられました。

iPhoneや格安SIMのスマホ以外の機種には、ワンセグ機能がほとんど搭載されています。

そして、そのスマホ、ガラケー(フューチャーフォン)を所持している人は、NHKを見る見ないに関わらず、NHKと受信契約を締結する法的義務があり、毎月1,260円(税込)を支払う必要があるという判断を日本国の最高司法機関が下したということを意味します。

このコラムでは、本当に契約義務があるの?契約しないとどうなるの?契約しないとNHKから訴えられる?自宅にテレビがあり既に契約しているけど、更に追加の契約が必要なの?この判決はとても不当なものである理由!などについての情報をお伝えいたします。

 

本当にワンセグ携帯所持だけで、NHKとの契約義務があるの?

NHKの受信契約はワンセグ携帯所持でも契約義務があるの?最高裁判所の判決が出た!契約しないと訴えられる!?
結論から言いますと、「ワンセグ機能付き携帯を所持している人は、それを入手した日まで遡ってNHKと受信契約を締結する法的義務を負うことになります。」

NHKとの契約義務は、放送法64条で定められています。

NHKとの契約義務についての詳細を知りたい方は、次のコラムをご参照願います。
→放送法第64条1項の正しい解釈は?違反した場合のリスクとNHKへの対処方法!

日本には、憲法で契約の自由が保証されているので、その自由の方が優先されるのではないか?と思う方が多いのですが、それはありません。

これは、2017年(平成29年)12月6日の最高裁判決で、契約義務があるという判決が出ています。
詳しく知りたい方は次のコラムを参照願います。
→NHK受信契約は合憲!最高裁判決2017年12月6日の本質は何か?

再度申し上げますが、現時点でNHKとの受信契約を締結していなければ、ワンセグ携帯を所持しているだけで、NHKと受信契約を締結する法的な義務がありますし、しなければ放送法に違反していることになります。

ほとんどの方は納得がいかないと思いますが、これが今回の日本国の最高司法機関が下した判断なのです。

 

自宅にテレビがあり既に契約しているけど、更に追加の契約が必要なの?

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現時点で既にNHKと受信契約を締結している場合は、ワンセグ携帯を所持しているからといって、追加で契約をする必要はありません。

NHKとの受信契約はあくまで、1世帯に対して1契約が原則になっているので、その点は心配ありません。

10人家族でテレビが10台あろうが、一人暮らしでテレビ受信設備がワンセグ携帯だけであろうが、契約は1契約でよいのです。

 

ワンセグ携帯で契約しないとどうなるの?NHKから訴えられる?

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ワンセグ携帯を所持しているのに、NHKと受信契約をしないとどうなるのでしょうか?

まず、既に述べたように放送法で、受信契約の義務はあります。

しかし、放送法には罰則規定が一切ないので、契約をしなくても罰則は一切受けることはありません。

ですが、可能性としてあるのはNHKから契約を迫られる裁判を起こされことです。

こんなことを言うと、恐怖を感じる方がいるかもしれません。

NHKは2006年11月から裁判を起こし始めていますが、2017年までの約11年間で未契約者へ起こした裁判はたった300件しかありません。

これを年に換算すると、たった27件です。

未契約者が1,000万~2,000万世帯とも言われる中、たった27件/年しか訴えられていないのです。

未契約者が1,000万世帯だと過程すると毎年37万人に一人しか訴えられないわけです。

これは奇跡的な確率です。

しかも、NHKは確実に勝てる相手を厳選して、訴えてくるので、確実に勝てる条件を満たしている相手のみを訴えます。

確実に勝てる相手とはどんな相手なのか?については次のコラムで詳細を書いておりますので、興味のある方はご参照願います。
→放送法第64条1項の正しい解釈は?違反した場合のリスクとNHKへの対処方法!

まとめると、ポイントは次の2点になります。

ポイント

(1)ワンセグ携帯を所持していると、NHKとの受信契約を締結する義務はあるが、契約しなくても罰則は一切ない。
(2)NHKから、契約締結を求めて訴えられる可能性はあるが、確率的に極めて低くないに等しい。

ワンセグ携帯裁判の判決はとても不当なものである

NHKの受信契約はワンセグ携帯所持でも契約義務があるの?最高裁判所の判決が出た!契約しないと訴えられる!?
ワンセグ携帯に、テレビと全く同じ月額1,260円(税込)という契約金を法で強制するというのは、一般の人たちには非常識と言わざるを得ないでしょう。

この最高裁の判決について、キアラの考えを書かせて頂きます。

設置なのか?

放送法64条1項には「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」と謳われています。

ワンセグ機能付携帯は受信設備の設置に当たるのか?というと一般の人たちの感覚からすると、設置ではなく携帯するのが携帯電話であるというのが妥当でしょう。

しかし、ワンセグ携帯の所持はテレビ受信設備の設置に含まれるという解釈を最高裁判所はしているわけです。

普段私達は、携帯電話を購入する際、携帯電話を設置したとは言わないわけですが、最高裁はワンセグ携帯の所持をテレビ受信設備の設置に含まれると解釈したという意味になります。

2016年8月26日のさいたま地方裁判所の判決では、ワンセグ携帯電話の所持はテレビ受信設備の設置に当たらないという判断により、ワンセグ携帯の所持によるNHK受信契約義務はないという判決が出ていました。

その判決は上告され、東京高等裁判所はワンセグ携帯の所持はテレビ受信設備の設置に含まれるとの判断を下し、大橋氏には契約義務があるとの判決が出されました。

今回は更に最高裁も同じ判断を下したということになります。

ワンセグ携帯とテレビとのサービスレベルの違い

ワンセグ付携帯で、テレビを見ている人はほとんどいないのではないでしょうか。

ワンセグ携帯は電波が届く範囲が非常に狭く、エリア内であっても家の中だと映らない場合が普通にあります。

また、地域によっては電波が全く届かないエリアがたくさんあります。

放送法15条には、「協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内基幹放送を行うとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い、あわせて国際放送及び協会国際衛星放送を行うことを目的とする。」と書かれています。

ここで問題になるのは「あまねく日本全国において受信できる」という部分です。

ワンセグの電波な届かない、または届いてもきれいに映らないエリアが広範囲にある現状を考えると「ワンセグ放送」は放送法15条を違反している放送であると考えるのが妥当でしょう。

NHKは放送法15条の義務を怠っているのですが、その義務は問わず、放送法64条の契約義務だけがワンセグ携帯所持者へ課されるという、極めてアンフェアな判決です。

テレビを見る目的ではないのに、何故契約義務が発生するの!?

放送法64条には「放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第百二十六条第一項において同じ。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。」と言う但し書きがあります。

つまり、テレビを見る目的で購入したのでなければNHKとの契約義務はないと、はっきりと謳われています。

しかし、最高裁は放送法64条の但し書きに反して、ワンセグ携帯を所持しているだけで、NHKの受信契約を締結する義務があるという、不可思議な判決を下しているわけです。

司法と一般人との凄まじいギャップ

NHKの受信契約はワンセグ携帯所持でも契約義務があるの?最高裁判所の判決が出た!契約しないと訴えられる!?
司法の判断と、我々一般人の感覚のギャップを次に整理します。

司法 一般人
ワンセグ携帯は設置に含まれる。 ワンセグ携帯は携帯するものであり、設置には該当しない。
NHKは放送法15条を守る義務はなく、ワンセグ携帯所持者は放送法64条を守る義務がある。 NHKが放送法15条を守った時点で初めてワンセグ携帯所持者に放送法64条を守る義務が発生する。
放送の品質に関係なく、一律1,260円(税込)の受信料を課す。 放送の品質が低い電波の配信にはNHKとの受信契約義務はない。
テレビを受信する目的でない場合でも、NHKとの受信契約義務があり、放送法64条の但し書きは無効。 テレビを受信する目的でない場合は、放送法64条の記載に則り、NHKとの受信契約義務はない。

なぜ、裁判所の判断と我々一般人の感覚に凄まじいギャップが生まれるのかは、わかりませんが、今回の判決に妥当性を感じる一般人はどれだけいるのでしょうか?

”NHK=司法”という歪んだ実態が表出している判決だと思えてしまいます。

NHKと司法組織全体と何らかの癒着があると思わざるを得ないのと、法治国家から体を半分出してしまったほど特定の法人側に偏ったアンフェアな判決だと考えます。

 

官公庁、自治体、企業にあるワンセグの実態

NHKの受信契約はワンセグ携帯所持でも契約義務があるの?最高裁判所の判決が出た!契約しないと訴えられる!?
「ワンセグ携帯を所持しているだけで、NHKとの受信契約義務がある」となると、問題になるのは、企業、官公庁、自治体、特殊法人などが社員・職員へ経費で配布しているワンセグ付携帯電話に対して、契約をさせるべきであるという世論が生まれる可能性です。

当然ですが、この判決によって個人だけではなく、法人が従業員・職員へ配布しているワンセグ付携帯電話にもNHKとの受信契約締結義務は発生します。

そして、放送法では、NHKの受信契約は、テレビ受信設備を設置した日に遡って締結すると定められています。

つまり、10年前から社員・職員に配布しているワンセグ付携帯がある場合、10年前までさかのぼって受信契約を締結し10年分の受信料を払わなければならないです。

ドコモで初のワンセグ機能付携帯が発売されたのは、2006年ですのでその時代のワンセグ付携帯を所持した場合、その時点まで遡って契約をしなければならないのです。

法人が所有している、ワンセグ付携帯のほとんどはNHKとの受信契約なんてしていないので、膨大なNHKとの契約義務違反者が現存していることになります。

今回の判決により、NHKにはこれらの対象全てに対して、契約を締結迫る義務があります。

膨大な未契約者がおり、かつ過去に遡って契約をすることによって、NHKは巨額な受信料を手にすることになります。

しかし、こんなやり方がまかり通るのでしょうか?

世論からの猛反発が必死でしょう。

ワンセグ付の携帯電話が世に出た2006年の段階で、NHKはその携帯電話を購入した方は、その時点でNHKと受信契約義務が発生するということを、広報を使ってすべての国民へ告知する義務があるはずです。

公の機関に近いNHKが、放送法に基づく契約義務に関しての重要なアナウスを2006年から完全にサボタージュしてきたとういことに関する責任を問うべきではないでしょうか?

このサボタージュは後出しじゃんけんという詐欺に等しい行為です。

こんな、詐欺のような方法が認められてしまったということに対する、何らかの反発が世論で生まれることを、私は願います。

 

略奪組織化しているNHK

NHKの受信契約はワンセグ携帯所持でも契約義務があるの?最高裁判所の判決が出た!契約しないと訴えられる!?
NHKを見ている人の中心は女性高齢者になります。

この所詳細は「誰がNHKを見ているのか?」で書いておりますので、興味がある方はご参照下さい。

スマートフォンの普及率は年齢が下がるほど高くなり、年齢層が高くなるほど下がります。

そして、NHKを見る年齢層はこの全く逆で、年齢が高いほど見ている人が多く、低いほど見てり人は少ないわけです。

NHKと司法が今推し進めようとしているのは、NHKを見ない人たちへ、見てもらえる価値のあるコンテンツを新しく開発するという努力を全くすることなく、見てもらいえない時代遅れのコンテンツを強制配信し、強制的にお金を取るという、極めて非民主的で強奪的な手法で権益拡大を進めているということです。

NHKどころか、テレビ離れが進行している今の時代です。

未契約者にはスクランブルをかけて視聴ができないようにして、見てもらえるような魅力的なコンテンツを開発して、契約者を増やす努力をするというのが、民主主義国家である日本において、NHKが取るべき当たり前の選択でしょう。

今やNHKは法的な権力に守られた略奪者です。

NHKを見ない人からお金を強制的に徴収する範囲を拡大するという路線は、正に封建国家的な思想に基づいて活動している略奪組織であると言えます。

まとめ

NHKの受信契約はワンセグ携帯所持でも契約義務があるの?最高裁判所の判決が出た!契約しないと訴えられる!?
この判決に対して、納得する人はほとんどいないでしょう。

この問題は、立法で議論するしかないと思いますが、この問題に取り組む国会議員は皆無であり、NHKの予算案が国会で何の議論もされず自動的に通過する実態の中で、我々一般人はNHKの権益が拡大し続けるのをただ指を加えて見ていることしかないというのが現状です。

これは、民主主義国家としての、体制の危機を象徴する判決だと思います。

後は「NHKから国民を守る党」が参議院に当選することを祈るばかりです。

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