ドイツクリスマスパンとシュトレンはどこからきたの?

ドイツではクリスマスに「シュトーレン」というパンを食べます。

 

そして、このパンは甘くて、コクがあって、フルーティーな風味があり、とても美味しいのです。

 

日本では、メジャーな食べ物にまではなっていませんが、パン屋さんやスイーツ店で販売しているところがあります。

 

このコラムでは、このドイツクリスマスパンの歴史、内容についてご紹介致します。
 

ドイツクリスマスパン「シュトーレン」の歴史

クリスマス,シュトーレン,歴史,ドイツ

バウムクーヘンは誰しもが知っている、ドイツ菓子ですがシュトーレンもその美味しさは、日本でも認知されるようになって来ています。

 

しかし、知らない方もまだまだいるのがシュトーレンです。

 

発祥の地はドレスデント言われておりますが、これには諸説あります。

 

 

最古の記録としては、1329年のナウムブルク司祭へのクリスマスの贈り物として贈られたのがそれに当たります。

 

クリスマス,司祭

 

4旬節の期間は、キリスト教の断食期間であったため、バターと牛乳の接収は禁じられていました。

 

そのために、シュトーレンの素材には水、オーツ麦、てんさい根の油を使用して作っていました。

 

そのため、味は大変素っ気ないものだったそうです。

 

※四旬節は、カトリック教会などの西方教会において、復活祭の46日前の水曜日から復活祭の前日までの期間のこと。 聖公会では「大斎節」と呼び、プロテスタントの教派によっては

「受難節」と呼ぶこともある。

 

この素っ気ない味に不満を持っていた、ザクセン選帝侯エルンストと弟アルプレヒトは、1430年に、ローマ教皇へと訪問し乳牛摂取禁止令の撤廃を嘆願したが、それは退けられる。

 

ザクセン選皇帝

 

それから61年もたった1491年に教皇イノセント8世が、教会の建設費用と引き換えに、てんさい根ではなく、バターを使用してよいという許可をローマ法王からようやく引き出しました。

 

「バター食用許可証(Butterbrief)」が公布されたのです。

 

Butter

 

尚、この公布は宮廷でのみで有効だったにもかかわらず、バターと牛乳を使用したシュトーレンは公国全体に広まりました。

 

 

このシュトーレンがお菓子として楽しまれるまでに、美味しいものになるにはさらに時間がかかりました。

 

宮廷パン職人だったハインリッヒ・ドラスドが乾燥フルーツなどを加えて工夫し、レシピを完成させ、それが全国に広がり今日にシュトーレンの形が出来上がったのです。

 

その後ザクセン公国では、毎年クリスマスに宮廷に献上するのが習慣となりました。

 

1730年、アウグスト強王は2万4000人を招いたパーティーに振る舞うために1.8トンものシュトーレンを注文しました。

 

 

 

この巨大シュトレンは8日間かけて焼かれ、1.6メートルのナイフで客の前でさばかれたと言われています。

 

 

 

ドレスデンでは、この出来事が広まり、クリスマス時期の第2ヴェントの前の土曜日に、シュトーレン祭が開催されています。

 

馬車に巨大なシュトーレンを載せて、パレードをしそれを振る舞う行事が行われています。

シュトーレン,パレード

 

現在はドレスデン風趣シュトーレンは商標登録されており、材料の分量が指定されている。

 

基本的なレシピは存在しますが、ドレスデンにある約150軒のパン屋はその味を競っており、それぞれ独自の味を追求し門外不出のレシピを後継者へと伝授しながらその味を磨き上続けています。

ドレスデン

 

 

正統派ドレスデン風シュトーレンのレシピ

正統派ドレスデン式シュトレンシピです。

材料 (250gのもの1個分)
☆強力粉 250g
☆ドライイースト5g
☆グラニュー糖 33g
☆塩ひとつまみ
☆卵1個
☆レモンの皮のすりおろし1/3個分
☆ローズ水(なくてもよい)小さじ1杯
☆コリアンダーパウダー小さじ1/2杯
☆温かい牛乳120cc
ラム大さじ1杯
粗く砕いたアーモンド5,6粒分
レーズン大さじ1杯
レモン&オレンジピール各大さじ1杯分
溶かしバター50g~100g
粉砂糖適宜

 

 

 

食べ方

シュトーレンは2ヶ月くらいは余裕で持ちますので、毎日少しづつスライスしながら食べていくというのが正統派の食べ方です。

 

シュトーレンがこんなに日持ちするのは、材料と製法(ドライフルーツ、ラム酒、溶かしバター、たっぷりの砂糖のコーティング)によって長期熟成のパン・お菓子であからです。

 

この日持ちする要因は、何度も塗り重ねられた溶かしバターと、表面にたっぷりとまぶされた粉砂糖によるものです。

この粉砂糖による表面のコーティングによって、果物の砂糖漬けの効果が出るために長期間の保存が可能になっています。

 

 

キリスト教の「アドヴェント」と呼ばれるクリスマス・イブの4週間前からイブまでの間を、毎日少しずつ食べていくというお菓子です。

 

 

これによって、早めにクリスマス気分を満喫できます。

 

 

まずは、真ん中部分を2つにカットして、その両側を食べる分だけ薄くスライスします。

 

スライスしたら、スライスした面をピッタリと合わせて、ラップで包んで保存します。

これは、カット面の乾燥を防ぐためです。

保存は常温で大丈夫です。

 

沢山食べるかたは、一本で4週間はとても持ちませ。

 

個人的には、いつも4~5日で終了しちゃってます。

美味しいので我慢が出来ませんね。

 

クリスマスまで持たせるには4~5本は必要です。

 

 

まとめ

 

 

シュトーレンの楽しみ方は、色々だと思いますが、自宅で毎日少しづつ食べていくと、ドライフルーツの養分がだんだんと生地に染み込んできて、熟成が進みます。

 

すると、味によりまろやかさとコクが生まれ、日を追うごとに美味しくなります。

 

ここが、シュトーレンの楽しみの方の1つだと思います。

 

 

つくるのが好きな方は、チャレンジしてみて下さい。

 

 

また、お金を出せば今は色々なお店で絶品のシュトレンが売られています。

 

また、クリスマスだけではなく、常時販売しているお店も一部あります。

 

購入される方は↓のコラムをご参照下さい。

 

↓シュトーレンの関連コラム

おすすめの記事