賃貸物件を利用する際にかかる費用には次のものがあります。

・仲介手数料
・敷金
・礼金
・更新料

これらの費用は一般的な商品を買ったり、借りたりするときには発生しない不可思議な概念の費用です。

家電品を購入しても、クルマをリース契約しても、携帯電話を契約しても、huluに申し込んでもこれらのような費用はかかりません。

このコラムでは、これら4つの費用が発生する理由とその背景についての内容をご説明致します。

それによって、賃貸不動産を提供する側の家主、不動産屋(不動産仲介業者)が何を考えているのかが少しずつ見えてくるので、賃貸不動産を探す際の動き方が変わってくると思います。


仲介手数料の中身はなに?

仲介手数料とは、不動産屋(不動産仲介業者、賃貸管理会社)の手間賃で、その中身の主なものは次の5つ。

・利用者の希望物件を探す
・内覧をするために現地まで案内する
・契約書類を準備してその手続きをする
・契約する前の審査
・大家との交渉

そして、利用者が気に入った物件がなく契約に至らなければ仲介手数料は発生しないため、成果報酬型の手数料です。

ネットで検索をして、ほぼ当たりを付けてて内覧をしてすぐに決めてめも発生するし、不動産屋の担当者に時間を掛けて探してもらっても同じ額の仲介手数料が生まれるので、この手数料は非常に不公平だともいえます。

不動産屋に手間暇をかけてもらってももらわなくても、同じ金額を取られるという仕組みなのです。

 

 

仲介手数料のからくり

仲介手数料には以外と複雑なからくりがあります。

そのからくりをこれから、ご説明します。

これが分かると仲介手数料が無料の物件をときどき目にすると思いますが、その理由が分かって来ます。

不動産会社には物件の優先順位があります。

それは自社管理物件と他社が管理している物件があり、自社管理物件の方が取り分が多くなり、その物件をできるだけ契約して欲しいと思っています。

さらには、取り分が増える分仲介手数料を値引く財源が確保できるという意味でもあります。

 

自社管理物件と他社管理物件

不動産会社は、自社で管理している物件と他社が管理している物件情報の両方があります。

自社管理物件は自社が直接大家から管理をまかされている物件で、その物件に独立した借り主を見つけた場合、家賃の回収代行をして大家から家賃の5%を毎月手数料として受け取るなどの取り決めをしています。

さらには、仲介手数料を借り主と大家の両方から取ることが出来ます。

家賃が100,000円だった場合、大家から54,000円、借り主から54,000円もらうことも出来ますし、借り主から108,000円もらうことも出来ます。

このような理由から、不動産会社はまず自社管理物件をすすめようとしてきます。

 

実際のお金の流れはどうなるの?

ここで、実際のお金の流れを辿ってみましょう。

賃貸物件に空きがでたり、新築された場合、大家は不動産会社A(元付業者)へ賃貸の募集を依頼します。

この際不動産会社Aは、賃貸管理会社としてこの物件を管理します。
先に述べたようにその管理料として、契約成立時には家賃の集金代行をして、家賃の5%などを手数料としてとるなどの取り決めしている場合があります。

そして、管理会社には、建物管理会社と賃貸管理会社があり上記の不動産会社Aは賃貸管理会社です。

建物管理会社とは、建物の管理人を手配したり、価値を保つよう修繕計画をたてる役割を担います。

不動産会社Aは自身で借り主を探しながら、不動産業者向け賃貸物件情報データベース(レインズ)へ物件の情報を登録します。

そうすると、仲介業者Bが借り主Bを見つけてくる場合もありますし、不動産会社Aが借り主Cを見つけてくる場合の両方があります。

 

賃貸管理会社「不動産屋A」の立場

ここで不動産会社Aとしては、自身で独立した借り主を見つけることができれば、仲介手数料にプラスして毎月の家賃の5%の手数料を得ることができ、これを媒介と呼びます。

不動産会社Aとしては、できれば取り分が増える媒介をしたいわけです。

さらにもう一つの要素として、自社管理物件は大家の手前空き部屋の状態を0日にしたいという動機が生まれます。

借り主を見つけられない不動産屋だと思われたら、他の不動産に取られる可能性がかるからです。

仲介手数料を値引きして自社で借り主が付けられるなら、、毎月の手数料を考えれば得だと判断し、手数料を値引きしてでも契約しようとするかもしれません。

 

大家Aの立場

今度は大家の立場から見てみます。

大家としては、空き部屋の状態を0日にしたいと思っていて、人気物件なら問題はないですが、駅から遠い、築年数が古い、和室であるなど人気があまりない物件だと借り手がなかなか見つからないケースもあります。

その時は、仲介手数料を割引もしくは0円にして、その分を礼金の取り分を減らすなどの調整を不動産屋Aとする可能性があります。
借り主からすると、仲介手数料は0円、礼金2ヶ月分、敷金1ヶ月分などにして、大家は本来貰うはずの礼金2ヶ月分の内半分を不動産屋に渡すなの方法です。

大家にとって部屋に空きができることを考えたら、1ヶ月分の礼金を失っても借り主を早く見つけることを優先するケースはあるでしょう。

 

借り主の立場

ここまでの話しでいくと、借り主としては、仲介手数料を安くしてくれるのは賃貸管理会社(元付け業者)なので、そこへ行けば値引いてもらえる可能性が高まると考えるかもしれません。

それは正しい捉え方だとは言えますが、自分の希望を満たした物件を見つけることが重要なので、管理会社の直接物件を狙おうなどと思っていると、選択肢を極点に狭めることになり、希望物件に出会える確率を下げることになります。

また人気のある物件は値引きは基本的にしません。





不動産仲介業者「不動産屋B」の立場

不動産会社B(仲介業者)の立場から見てみましょう。

不動産会社Bも不動産会社Aと考え方は一緒なので、借り主へは自社管理物件で契約をしたいと考えます。

しかし、自社管理物件を顧客へ提案しても希望に合わない場合は、賃貸不動産物件情報データベース(レインズ)に掲載している他社管理物件の中から条件にあいそうな物件を選び出し顧客へすすめます。

すると顧客が大家Aの物件を気に入って、契約が決まった場合の収入は仲介手数料のみになります。

不動産屋BもAも自社管理物件で契約をしたいと思っていますが、賃貸不動産物件情報データベースの方が圧倒的に物件数が豊富なので、そのなかから借り主が見つかるならば、それで利益をあげようとします。

仲介手数料の取り分

ここまでの話しから、仲介手数料がどのような配分になるのかを見ていきます。

仮に家賃が100,000円の賃貸物件の契約をした場合の取り分は次になります。

仲介手数料のパターン

【媒介】

パターン1大 家元付業者-------0円
------借り主元付業者-108,000円
ーーーーーーーーーーーーー---108,000円

パターン2 大 家元付業者54,000円
ーーーーーー借り主元付業者54,000円
ーーーーーーーーーーーーー---108,000円

パターン3大 家元付業者54,000円
------借り主元付業--------0
ーーーーーーーーーーーーー----54,000円

パターン4大 家元付業者-108,000円
------借り主元付業者--------0円
ーーーーーーーーーーーーー---108,000円

【仲介】

パターン1借り主 → 客付業者 108,000円

パターン2 借り主 → 客付業者 -54,000円

パターン3 借り主 → 客付業者 -------0

※仲介手数料は家賃1ヶ月分の1.08倍が上限と決まっています。

ここで分かるのは、仲介の場合は殆どがパターン1で、「家賃✕1.08」取られるとうこと。

媒介では人気がない物件はパターン3、パターン4になる可能性があり、借り主のからみると安く借りられるケースがあるということ。

 

家賃は値引きできないので仲介手数料で対応する

仲介手数料を値引きするケースがあるのは、家賃は値引きしづらいという事情があります。

同じマンション、同じアパート内で、家賃が安い人と高い人が生まれると、高い人からクレームが出るので、大家としては家賃を下げたくないのです。

築年数が古くなれば、人気が下がるのですが、古くから住んでいる住人よりも新しく入ってくる人の家賃を下げるというのはやりたくないので、仲介手数料、礼金を下げて初期費用で魅力を出す方法が取られるケースが生まれます。

 

不動産情報サイトに同じ物件が載っている理由

スーモホームズなどの不動産情報サイトを見ていると、ときどき同じ物件が掲載されている事があります。

物件を探している側にとっては混乱のもとになりますが、なぜこんなことが起こるのかというと、不動産業者向けの賃貸不動産物件情報データベースレインズは複数の不動産会社が参照しており、そこから不動産情報サイトへ掲載することが出来るので同じ物件が載ってしまうことがあります。

不動産情報サイトとしても、チェックはしていると思いますが、完璧にはできていないので、重複部件が生まれます。

 

仲介手数料の原則は家賃1ヶ月分の半分が原則

これは一般ではあまり認識されていない事実ですが、建設省の告示第1552号によって、仲介手数料の額は決められていますが、その額は「家賃1ヶ月分✕0.54」です。

但し、大家や借り主が承認している場合は「家賃1ヶ月分✕1.08」を上限に増やしてよいことになっています。

殆どの場合は家賃の1ヶ月分取られているので、いつの間にか仲介手数料は「家賃1ヶ月分✕1.08」になることを借り主が了解していることに、勝手にされています。

これは無知な相手から”ふんだくる”という不動産業界の体質から来ています。

 

仲介手数料よりも期間で考える

先にも述べたように、同じ物件なら仲介業者(客付業者)と契約するより賃貸管理会社(元付業者)と契約する方が、費用面でメリットが出やすいという考え方もあります。

しかし、そこに縛られると希望物件を見つけるのに障害になります。

一つの不動産屋が持っている自社管理物件は量は非常に少ないからです。

 

契約には次の3つがあります。

①介業者、賃貸管理会社が介する(仲介)

 

②賃貸管理会社が介する(媒介)

 

③借り主と大家が直接

③が一番中間業者がいないので、手数料が少なく済む。

②は仲介業者の取り分がないので安くなる。

①が一番高くなる。

というのは、一つの考え方ですがそのようには行かないのが実態です。

 

③は「大東建託」のように自社で物件を建設し、自社で借り主を見つけてくる業態の場合にありえるパターンです。

殆どの大家は自分で借り主を見つけることはせず、賃貸管理会社へ任せます。

仲介手数料を安くしてその分を礼金に上乗せしている場合があるので、良い物件を見つけるには、仲介手数料だけではなく、礼金、更新料、退去時のコスト、家賃、管理費、などの期間トータルの費用で考える方がより間違いがないでしょう。

 

 

物件探しの多様化

最近になって物件を見つける方法が多様化しています。

従来は不動産仲介業者が、借り主を見つけて契約をして仲介手数料を1ヶ月分とるというやり方が主流でした。

人口が増えていた時代は貸す側の立場が優位だったので、仲介手数料を本来の倍額を取り、礼金という不可思議な費用、貸す側のリスクをなくすための敷金という費用を取るのが普通でした。

・仲介手数料1ヶ月分
・敷金3ヶ月分
・礼金2ヶ月分
合計6ヶ月分

貸す側に圧倒的に有利な”やりたい放題の課金システム”だったわけです。

これが変わりつつあるのは、[人口が減少傾向にともない賃貸需要も減少傾向になっているという事実」「インターネットの普及により正しい情報が普及して借り主側が騙されなくなっている」という2つのファクターにあります。

スーモ、ホームズなどの不動産仲介にはノータッチで、物件の情報を大量に掲載するだけのサイトによって誰にでも物件情報が行き渡るようになったこと。

対面ではなくチャットで賃貸不動産物件情報データベース(レインズ)の物件情報を提供してくれるサービスの登場などによって、今までの極めて効率の悪い物件情報の流通に変化が起きはじめています。

これらのサービスを上手に使えば、室の高い物件情報を豊富に入手することが個人でも可能になると言えます。

従来は不動産屋という極めて古い体質の企業体に、物件情報の流通を握られていたために、情報流通が極めて非効率な状態にありました。

情報流通が非効率だということは、それがそのまま高コスト構造を生み出し、そのコストは借り主が負担するということが常態化していました。

 

物件探しは、情報を上手に入手することでより効率的に自分が希望する物件を適正なコストで見つけることができる時代になっています。

 

 

まとめ

▶仲介手数料は、「家賃✕1.08」の金額を取られるのケースが殆ど。
▶仲介手数料の金額は本来「家賃✕0.54」と決められているが、大家、借り主が承諾すれば「家賃✕1.08」を上限として上げることができる。
▶不動産屋が承諾なして勝手に「家賃✕1.08」を取っているのが実態。
▶賃貸物件の流通には、「賃貸管理会社」と「仲介業者」の2つの業者が存在すし、「賃貸管理会社」⇔「借り主」が契約すると、「賃貸管理会社」にプラスアルファの利益メリットが生まれる。
▶仲介手数料が安い分、礼金にその分上乗せされている場合がある。
▶「賃貸管理会社」と契約すると仲介手数料を割引してくれる可能性が高まるが、そこにこだわると良い物件を見つけるのに障害になる。
▶契約には次の3つがある。
「借り主」⇔「仲介業者」⇔「賃貸管理会社」⇔「大家」
「借り主」⇔「賃貸管理会社」⇔⇔「大家」
「借り主」社」⇔「大家」
▶従来は貸す側が圧倒的に有利な”やりたい放題の課金システムたっだ”がそれが少しづつ崩壊しつつある。
▶物件探しは仲介手数料だけでみるのではなく、礼金、更新料、退去時のコスト、家賃、管理費などの期間トータルでのコストで考えると間違いがない。
▶理想的な物件探しは、不動産屋に物件を探して貰うだけでなく、不動産情報サイトの豊富な情報量、チャットサービスなどの賃貸不動産物件情報データベース(レインズ)の情報を提供してくれるサービスなどのを複合的に利用すれば、豊富で室の高い情報を個人が入手できる時代になっている。

 

自分が希望する賃貸物件を探すのには、まだまだ障害がありますが、10年前と比べたらかなり恵まれた環境になってきていると思います。

キモは正確な情報がオープンになっているかなっていないか?
どれだけそれがオープになっているかという点に尽きるでしょう。

借りる側にとってデメリットになる情報が、隠されている状態があればあるほど、希望の物件に出会える可能性は低くくなります。

逆に言うと、それらの情報を積極的に収集するコツを知れば、理想的な物件に出会える可能性は高くなるでしょう。

 

賃貸物件の探し方に関連するコラムを色々と書いておりますので、物件探しの効率を高めるために、ご参照頂けますと幸です。