しめ縄(しめ飾り)の意味と由来は?いつまで飾るの?

玄関先にしめ縄が飾ってある風景を目にしたとき、いまお正月なんだな~と毎年感じます。

そして、それを玄関などの飾るのをみて、これってどんな意味があるのだろう?そもそもなんでこのような慣習が現代の日本に残っているのだろう?などと、時々思っていました。

私キアラはこの意味や由来を結構な齢になるまで知らないで来ました。

その意味を調べてみて、お正月に対する理解が深まったことを覚えています。

 

このコラムでは、しめ縄の意味と由来、飾る期間、しめ飾りの種類などについての情報をご紹介致します。
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お正月の意味は?


しめ縄の意味と由来の前に「お正月」の意味を少しご説明致します。

というのも、しめ縄はお正月という神道の行事のなかの、一つの要素になるからです。

そもそも正月行事は、元旦に歳神様という神様がくるので、家にお迎えして、おもてなしをして、お送りするという行事になります。

歳神様は今年1年の幸せと恵みを与えて下さる神様で、そこには色々な意味が含まれています。

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しめ縄を飾る意味


年の瀬が迫ると、家にはしめ縄や鏡餅を飾りますが、これは歳神様をお迎えするための準備なのです。

しめ縄を飾る意味は、そこが神様をまつるのにふさわしい神聖な場所であることを示すためで、そこが神の領域と現世を隔てる結界として機能します。

更には、中に不浄なものが入らないようにするためでもあります。

力士が相撲の土俵に上がる際はしめ縄をしていますが、これは土俵を清める意味が込められています。

 

古事記の神話「天の岩戸伝説」が起源!?


古事記や日本書紀には「天岩戸(あまのいわと)伝説」というものがあります。

この物語の概略は次になります。

天の岩戸伝説
天照大神(あまてらすおおみかみ)という神様の、弟である須佐之雄命(すさのおのみこと)が、悪さばかりを働くため、兄の天照大神は腹を立て天にある岩屋へと隠れてしまいました。

太陽神である天照大神の力によって地上は明るく照らされていましたが、岩屋に隠れてしまったため地上は真っ暗になりました。

この事態に神々は天照大神をなんとか岩屋から連れ出そうとし、岩屋のある岩戸の前で酒を飲んで踊ることにしたのです。

そうすると、他の神々が何をやっているのかと様子を見に天照大神が岩屋から出てきた所を、天手力雄命(たじからおのみこと)が岩戸を開けて天照大神を外に連れ出しました。

そこで他の神々は天照大神がまた岩屋に戻ってしまわないように岩戸をしめ縄で縛って塞ぎました。

この神話がしめ縄を飾る起源であるという説が有力だとされています。

太陽神である天照大神が岩戸に隠れないようにと、しめ縄を家に飾るのです。

しかし、弟が悪さをしただけで、太陽神である自分の役割を放棄して岩戸に隠れるというのは、本当に神様なの?という疑問はありますが、、、、、

 

しめ飾りとは?


しめ飾りとは、しめ縄に縁起物などの飾りを付けたものをいいます。

多く見られるのが、次の四つです。

主な飾り

・紙垂(かみしで/しで)→神様の降臨を表す、
・裏白(うらじろ)→清廉潔白を表す
・譲り葉(ゆずりば)→家系を譲って絶やさず子孫繁栄を願う
・橙(だいだい)→代々栄えるよう願う
・前垂れ(まえだれ)→五穀豊穣を願う

これらを飾る意味は、しめ縄と同じで、自分の家が歳神様をお迎えするためにふさわしく、神聖な場所であることを示すということにあります。

しめ縄、しめ飾りをすることで結界をつくり、家の内側を清らかな場所に保ち、歳神様が安心してこられるような状態をつくるのです。

しめ縄・しめ飾りの種類

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しめ縄・しめ飾りは、の種類は多種多様で、その地域や場所によって形や飾りが大きく異なります。

家に結界をつくり、内側を清められた状態に保つために張るので、張る場所・張り方には色々と考え方、やり方がありましたが、今ではそれらは簡略化されて玄関・神棚に飾るというのが主流になっています。

ここでは、一番主流になっている4種類の「しめ飾り」をご紹介致します。

ごぼう注連

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西日本で多く用いられている形で、神棚によく使われことが多く、「ごぼう」のようなのでこの名前が付いています。

縄のねじりが、左へねじる「左綯い」(ひだりない)になっているのがお正月のしめ縄の特徴です。
これは、左が神聖で右が俗(日常)と考えられてきたために、このようなねじりをします。
縄の向きは、神様から見て左側(人から見ると向かって右側)が太いほうになるように飾ります。

裏白、紙垂、譲り葉、橙などを付けることが多いです。

ごぼう注連+前垂れ

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ごぼう注連に、前垂れ(わらの垂)をつけるタイプです。

飾りには紙垂、裏白、譲り葉、橙、前垂れを使うことが多いです。
玄関先に飾られ、西日本でよく使われるタイプです。

玉飾り

しめなわ.玉飾り
東日本で多く使われているタイプで、後ろのしめ縄が玉のような輪になっているのが特徴で、玄関先に飾られます。

形は太いしめ縄を輪にし、前垂れ、裏白、紙垂、譲り葉、御幣、橙、水引、海老、扇など飾りを付けているものが多いです。

輪飾り

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細いしめ縄を輪にし、譲り葉、紙垂などをつけたタイプです。

「輪飾りは」しめ縄を簡略化したもので、スペースが限られた、キッチン、トイレ、バスルームなどの水回りに飾ります。

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しめ縄を飾る期間は?


しめ縄は、正月飾りと同じ期間飾ります。

飾り付けるタイミング
❏12月13日~12月31日

12月29日は「苦」に通じる、12月31日はお通夜と同じ「一夜飾り」になるために縁起が悪いとされ、避けます。

12月28日までに飾るのが理想です。

12月13日は正月事始めと言い、正月の準備を始める日になっていますので、この日から正月飾りを飾る日になります。

外す日

地域 松の内期間 外す日
関東 1月1日~1月7日 1月7日
関西 1月1日~1月15日 1月15日

松の内の期間が終わる日に外すのが一般的です。

外したら、15日の左義長(どんど焼き)で焼き、これで一連の正月行事は終了します。

左義長に行くことができない場合は、神社へ収めるという方法もあります。

終わりに


お正月行事に登場する「しめ縄」には、その細かい部分まで全てに意味があります。

「しめ縄」一つから、神道と人間の関わり、日本の歴史と神道との関わり、そして農耕・稲作との関わりの中で日本文化が育まれてきたという側面を見て取ることができます。

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