お年玉には贈与税がかかるの?税金0円の範囲はいくら?

毎年お正月に渡される「お年玉」。

そう言えばこの「お年玉」には贈与税がかかるのだろうか?

ふとそんな疑問を持つことはあるでしょう。

誰かに何らかの金品を贈ると、発生する贈与税という国民の義務。

 

今まで自分は払ってこなかったし、他の人たちや、自分の親たちはどうしていたのだろう。

このコラムでは、そんな疑問をお持ちの方へ、お年玉に贈与税はかかるのか?またかかる範囲は?かからないようにするにはどうすれば良い?などについて、調べてみました。

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お年玉は贈与税の対象外?


贈与税には、課税対象外になる場合の12のケースがあげられています。

↓贈与税がかからない場合

No.4405 贈与税がかからない場合
No.4405 贈与税がかからない場合 [平成30年4月1日現在法令等]  贈与税は、原則として贈与を受けたすべての財産に対してかかりますが、その財産の性質や贈与の目的などからみて、次に掲げる財産については贈与税がか
になっています。

1 法人からの贈与により取得した財産 贈与税は個人から財産を贈与により取得した場合にかかる税金であり、法人から財産を贈与により取得した場合には贈与税ではなく所得税がかかります。

2 夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの ここでいう生活費は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用をいい、また、教育費とは、学費や教材費、文具費などをいいます。  なお、贈与税がかからない財産は、生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます。したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかることになります。

3 宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う一定の者が取得した財産で、その公益を目的とする事業に使われることが確実なもの

4 奨学金の支給を目的とする特定公益信託や財務大臣の指定した特定公益信託から交付される金品で一定の要件に当てはまるもの

5 地方公共団体の条例によって、精神や身体に障害のある人又はその人を扶養する人が心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利

6 公職選挙法の適用を受ける選挙における公職の候補者が選挙運動に関し取得した金品その他の財産上の利益で、公職選挙法の規定による報告がなされたもの

7 特定障害者扶養信託契約に基づく信託受益権 国内に居住する特定障害者(特別障害者又は特別障害者以外で精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあるなどその他の精神に障害がある者として一定の要件に当てはまる人)が特定障害者扶養信託契約に基づいて信託受益権を贈与により取得した場合には、その信託の際に「障害者非課税信託申告書」を信託会社などの営業所を経由して特定障害者の納税地の所轄税務署長に提出することにより、信託受益権の価額(信託財産の価額)のうち、6,000万円(特別障害者以外の者は3,000万円)までの金額に相当する部分については贈与税がかかりません。

8 個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの

9 直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金のうち一定の要件を満たすものとして、贈与税の課税価格に算入されなかったもの

10 直系尊属から一括贈与を受けた教育資金のうち一定の要件を満たすものとして、贈与税の課税価格に算入されなかったもの

11 直系尊属から一括贈与を受けた結婚・子育て資金のうち一定の要件を満たすものとして、贈与税の課税価格に算入されなかったもの

12 相続や遺贈により財産を取得した人が、相続があった年に被相続人から贈与により取得した財産  なお、相続財産を取得しなかった人が、相続があった同年中に被相続人から贈与により取得した財産は、相続税ではなく贈与税の対象となりますので注意が必要です。 (相法1の4、2の2、19、21の2~4、28、措法70の2、70の2の2、70の2の3、相基通21の3-3~6、21の3-8~9、所基通34-1)

※国税庁ホームページから転載

その中の次のものがあります。

8 個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの
※国税庁ホームページから転載

この項目を読むと「お年玉」は年末年始の贈答、祝物にも該当すると考えられます。

 

お年玉は社会通念上相当と認められるもの


そして、少々判断が難しいのが「社会通念上相当と認められるもの」という記載。

この範囲はどのようなものなのかは、具体的には書かれていません。

しかし、この記載の解釈としてお年玉をもらう一般的な金額の範囲のことを指していると考えてよいでしょう。

お年玉の金額は一般的に一番多いケースでいくらぐらいでしょうか?

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目安の計算に「年齢×500円」というものがありますので、年齢の最長年を大学生とすると、22歳なので、22×500円=11,000円になります。

さらに、平均よりも多くもらう人もいますので、一番多い金額のケースはだいたい30,000円ではないでしょうか。

目安として、「社会通念上お年玉相当」と認められる金額は1円~30,000円というのが大体の範囲であると考えられます。

この範囲の場合、多数の方からもらいその総額が基礎控除額(110万円)を超過しても、贈与税はかかりません。

 

高額のお年玉を貰った場合


もし10万円のお年玉を貰ったら、これはお年玉として社会通念上認められる金額とは言い難いでしょう。

でも、これだけでは、贈与税はかかりません。

詳細は別の項目でご説明しますが、基礎控除というものがあり1月1日~12月31日の間に貰った財産の金額が110万円までは非課税になります。

 

家族からお金を貰ったら?


家族からもらったお金や財産にも、贈与税はかかるのか?というとかかるケースとかからないケースがあります。

国税庁のホームページに次の記載があります。

夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの
ここでいう生活費は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用をいい、また、教育費とは、学費や教材費、文具費などをいいます。
 なお、贈与税がかからない財産は、生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます。したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかることになります。

生活・教育に必要なものや、それらを買うためのお金は非課税、それ以外の投資などに使うようなものはたとえ家族から貰った場合でも課税になるようです。

贈与税の基礎知識


贈与税とはどんな税金で、どのような金額体系になっているのかを調べてみました。

国税庁のホームページに書かれていたことをまとめると次になります。

相続税がかかるケース

(1)個人から財産をもらったときにかかる税金である。
(2)会社などの法人からもらったときは、かからない。
(3)自分が保険料を負担していない保険の保険金を受け取った場合、債務免除などにより利益を受けた場合は贈与税がかかる。
(4)被保険者が死亡して、その保険金を受けとった場合は贈与税ではなく相続税がかかる。

相続税の課税対象金額

(1)1月1日~12月31日の1年間に一人の人がもらった財産の合計金額から、基礎控除額(110万円)を引いた残りの金額に対してかかる。
つまり、1年間に貰った財産の金額が110万円以下なら贈与税はかからず申告も不要。

申告と納税

(1)財産をもらった人が、財産をもらった年の翌年2月1日から3月15日の間申告する。

課税金額

【一般贈与財産用】(一般税率)

「特例贈与財産用」に該当しない場合の贈与税の計算は次になります。
※例えば、兄弟間の贈与、夫婦間の贈与、親から子への贈与で子が未成年者の場合などに使用します。

【特例贈与財産用】(特例税率)
直系尊属(祖父母や父母など)から、その年の1月1日において20歳以上の者(子・孫など)へ財産贈与の際にこの計算が適用されます。
※「その年の1月1日において20歳以上の者(子・孫など)」とは、贈与を受けた年の1月1日現在で20歳以上の直系卑属のことをいいます。
例えば、祖父から孫への贈与、父から子への贈与などに使用します。(夫の父からの贈与等には使用できません)

 

お年玉には贈与税がかかるケース?


お年玉に贈与税がかかるのはどのようなケースがあるでしょうか?

社会通念上お年玉相当と認めらない金額のお年玉を貰った金額の合計が、110万円を超えたケースになります。

例えば10万円のお年玉を20人から貰ったとすると、次の計算になります。

貰った金額の合計 10万円×20人=200万円
贈与税額 {200万円-110万円(基礎控除額)}×10%=9万円

まとめ


ここまでの内容を次にまとめます。

まとめ

・個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるものは非課税。
・この範囲は金額で1円~30,000円程度と考えられる。
・家族から貰ったお金でも、生活・教育費以外のものに使う場合は課税対象になる。
・贈与税は1月1日~12月31日の1年間に一人の人がもらった財産の合計金額から、基礎控除額(110万円)を引いた残りの金額に対してかかる。
・社会通念上お年玉相当と認めらない金額のお年玉を貰った金額の合計が、110万円を超えたケースでは贈与税がかかる。

一般的な範囲では、お年玉には贈与税の心配は不要のようですね。

アンケー調査によると高校生でも、お年玉をもらう平均合計金額は32,00円ほどです。

常識を外れた金額のお年玉を多数の方からもらうなんていう人は、そう多くはないでしょう。

 

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