神棚には、正しい飾り方があります。

家の中で一番清らかで、家族全員が日々神様と親しみ、お供えものをしたり、礼拝をするのに良い場所に飾る必要があります。

昔の日本は、自然を神聖なものと扱い、そのリズムを日々の生活の中に取り入れ、家族の無病息災と幸せを願いました。

そして、その生活の中には、神道の神様との関わりが常にあったのです。

今の時代では、その考え方は大きく後退し西洋文化中心の生き方になっていますが、神道の慣習・行事は継承されています。

そんな時代の中、神棚の正しい飾り方は核家族化が進行した環境では直接引き継がれることはなくなり、インターネットがその任を負う時代になっています。

このコラムでは、神棚を設置する場所、方角、高さ、どの部屋に置くのが良いのか?などについての情報をご紹介致します。


神棚を設置する場所


神棚には良い設置場所、方向、高さがあります。

その条件は次になります。

 

❏神棚を設置するのに良い場所の条件
(1)家族全員親しみやすく、お供えものをする、拝礼するなどがしやすい部屋(場所)。

(2)目の高さ以上の高い所。

(3)上に便所や廊下がある場所は避ける。

(4)神棚を設置した場所の上に部屋がある場合、神棚の上を人が歩くことになります。
その場合は、「雲」「天」「空」などと白い紙(奉書紙など)に墨書し神棚の上の天井に貼ります。
これは、これより上は何もないという意味を表します。

(5)アパートやマンションの場合は、一戸を独立した建屋だと考える。
上の階が気になる場合は、「雲」「天」「空」などを書き天井に貼ります。

(6)部屋の高いところに吊るしたり、棚を取り付けてそこに神棚を設置するのが一般的ですが、これらが構造上できない場合は、タンス・本棚などの家具の上に台を置きその上に設置するのでも良いです。

 

❏神棚の向きについて
神棚を設置する方角は、神棚からみて南向きまたは東向き、南東向きが良いとされています。

東向き、南向き、南東向きに祀るのは、一日が始まると清々しい朝日、日中の明るい日差し(陽光)を十分に浴びるためです。

 

❏住居環境の制約
ここまででお伝えした設置場所、方角などは、基本的な考え方をもとにした方角です。

立地条件や考え方によって西向き、北向きに本殿が建てられている神社が、実はたくさんあります。

ここまでご紹介した条件をクリアできない、住環境におられる方は、可能な範囲で設置場所・方角を選べば大丈夫です。

 

御札(神札)の起源


なぜ、神棚に御札を入れるのでしょうか。

それは私達が仰ぎ祀る対象の「みしるし」としていれるのです。

日々神棚へお供えし、礼拝し、誠を尽くしてお守りして頂く神様の存在をしるす必要があるわけです。

伊勢の神宮のお札を「神宮大麻(じんぐうたいま)」と言います。

鎌倉時代より、お伊勢さまの大麻は「御祓大麻」とも呼ばれ、人々の罪稼を祓うための御祈祷お礼の意味がありました。

このお祓いをして、そのお礼を収める棚がありそれを神棚と呼ぶようになりました。

つまり、神棚の起源はこのお伊勢さまによる「御祓大麻」からによるものになります。

尚、大麻とはマリファナのことではなく、御祓の道具やお礼等を表す言葉です。

その後、全国の神社でもお社のお礼を、伊勢の「御祓」と一緒に神棚にまつる様になりました。

ですのでお札は伊勢の神宮の「御祓大麻」から始まったと言えます。





御札(神札)の意味

神棚には、「神宮大麻(天照皇大神宮)」「氏神神社」「崇敬神社」の3つのお札をお祀りするが一般的です。

この3つのお札についてご説明します。

神宮大麻(天照皇大神宮)

神宮大麻とは「神宮のお神札」のことなのですが、この神宮とは全国にある〇〇神宮全般のことを指すのではありません。

神宮とは「伊勢神宮」のことで、「神宮=伊勢神宮」なのです。

これは私も最近になって知ったのですが、伊勢神宮とは通称であり、正式名称は「神宮」です。

神宮大麻とは神宮(伊勢神宮)の大麻(御祓・お札)で、伊勢神宮の御祓のお札というような意味になります。

このお札が三社宮であれば一番中心に、一社宮であれば一番手前に祀られます。

神様の御分霊が宿る「神宮大麻」には伊勢神宮の神様が宿っています。

伊勢神宮のご祭神は「天照大御神」であり、八百万の神々のなかで、最も尊い神様とされており、天皇陛下・皇室の祖先神であり、神道の最高神と言えます。

氏神様がそれぞれの地域を守る神様であり、伊勢神宮は日本人の総氏神・守り神としての神様です。

 

氏神神社

氏神様とは、それぞれの地域の守り神で、氏神神社とは、皆さんが住んでいる地域の神様をまつる神社のことです。

もともとは、血縁的につながりのある一族が祖先神として崇敬していた神様を氏神様、崇敬者たちを氏子と呼んでいました。

そして、地縁的な繋がり(同じ地域に住んでいる)で結ばれ、その人達が崇敬している神様を「産土神」、その崇敬者達を産子と呼んでいました。

しかし、この氏子と産子の区分けが段々となくなり、血縁がなく地縁のみの人達も氏子と呼ばれるようになり産土神・産子という呼び方はなくなっています。

神棚には日本国民の総氏神である神宮大麻と合わせて、地元地域の神様である氏神様の氏神神社のお札をまつります。

 

崇敬神社

地縁・血縁に関係なく、完全に個人的に特別な信仰等により、崇敬される神社のことを崇敬神社と呼びます。

そして、氏神神社と崇敬神社の両方を崇敬・信仰しても全く問題はありません。

 

御札(神札)の設置順

御札には設置する順序があります。
次の順序を守り、並べて下さい。

(1)一社宮の場合、手前から「神宮大麻」「氏神」「祟敬神社」の順番に重ねてお祀りします。

(2)三社宮の場合、中心の扉の内に神宮大麻(じんぐうたいま)、向かって右に氏神の神札、左に祟敬神社の神札をお祀りします。

神棚を新たに設置する場合は、氏神様の神社へ神棚祓いをしていただくのをおすすめします。
神棚へのお清めと、これから神様からのお守り頂くことを祈願してもらうことができます。

 

神棚の必要なもの

神棚本体と、それ以外には最低限次のものが必要になります。

神棚に必要なもの

・榊立(さかきたて)×1対
・榊×1対
・瓶子(へいじ)×1対
・水器×1個
・高月×2枚
・神鏡×1個

お供えするもの

・榊立へ榊をお飾りします。
・瓶子へは日本酒を入れます。
・水器へお水を入れます。
・高月には向かって右側に塩、左側にお米を入れます。

 

神棚へのお供えについて


毎日お供えするのは、米・塩・水です。

毎月1日と15日に榊は入れ替えるのが一般的ですが、この日にかかわらず榊(さかき)が枯れて来たら、こまめに入れ替えましょう。

お正月、七五三、誕生日、命日などには、お酒や季節の初物などをお供えしてお参りします。

 

神棚へお参りする


お参りというと、どこかの神社へ行くことだと思うかもしれませんが、家に神棚があるということは、家に神社があるということと同義です。

神棚へのお参りは、神社と同じ「二拝二拍手一拝」になります。
次の流れで行いましょう。

お参りの手順
Step1 手や口を清めてから、姿勢を但し神棚の前で軽く頭を下げます。
Step2 二拝(深くお辞儀を2回)
Step3 祝詞(無病息災などを祈念する)
※しなくても可
Step4 二拍手します。
Step5 一拝(深いお辞儀を1回)
Step6 最後に軽くお辞儀をして、神棚の前をから下がります。

終わりに


神棚に関しては色々とお作法があり、飾り初めはちょっと面倒くさいかもしれませんが、慣れると普通に感じると思います。

ポイントは毎朝朝起きたら、塩、水、米を交換し参拝するのが楽になるコツです。

毎日するのが逆に一番楽です。

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