毎年迎える「お正月」というイベントでは、子供のときならお年玉がもらえて、学校も休みになりとても楽しみな行事ですね。

大きくなっても、仕事が休みで、おせち料理やお雑煮、お汁粉、美味しいお酒を飲める楽しい期間でしょう。

そして、このお正月というイベントはそもそもどんな意味があり、何のためにあり、どんな起源があるのかをちゃんと理解している人以外に少ないです。

特に、お正月を神道の行事として行っている意識が段々と無くなってきている現代において、お正月はのんびり過ごす休暇の期間という位置付けになっている状況があります。

このコラムでは、お正月の意味、由来、その起源についてご紹介致します。


お正月とは?


お正月とは、「歳神様」をお迎えし、おもてなしし、お送りする行事です。

歳神様とは、毎年正月になると山の上から各家に降りてきて、ことし1年が幸せに豊かに暮らせるように守ってくださる神様です。

そして、歳神様は複数の謂れのある神様で、「来訪神」「穀物神」「祖霊」「歳徳神」などの神様を包含しています。

正月飾り、鏡開き、お雑煮、初詣、お年玉などは全てこの「歳神様」に関連する行事です。

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お正月は最古の行事

正月という行事は、日本で継承されているなかで最古の行事だとされています。

その起源は詳しく分かっていませんが、6世紀半より以前には既に存在していたと言われています。

現在のしめ縄・しめ飾り、鏡餅・鏡開き、おせち料理などの慣習が一般社会に広まったのは、江戸時代に入ってからになります。

 

「あけましておめでとうございます」の意味

お正月になり、友人・知人・仕事関係者と顔を合わせると取り交わす「あけましておめでとうございます」というセリフには、日本独特の語呂合わせからくる意味・起源があります。

西洋の太陽暦を導入した今の日本では、立春は2月の上旬になりますが、明治以前の旧暦(太陰太陽暦)では12月後半~1月の前半でした。

お正月は一年の始まりであり、立春という春の始まりでもあったのです。

人々はこの春が訪れ新しい生命が生まれることを心から喜び、それを「芽出席い(めでたい)」と言い、これは春になり「芽が出る」という意味から出た言葉です。

そして、「あけましておめでとうございます」というのは歳神様をお迎えするときの祝福の言葉でもありました。

「あけましておめでとうございます」という言葉は、新しい芽が出て生命が生まれることへの喜びと「歳神様」への祝福を表す言葉です。

御年始の挨拶は、人同士が「あけましておめでとうございます」と言葉を交わしあうことで、生命と歳神様をお迎えすることを喜びあう儀式であると言えます。

植物の生命、歳神様、人の関わり、この三つが同じフィールドで同期を取りながら動き密接に関わっていくという、日本独特の世界観から行われているということが現れている言葉です。

 

お正月とはいつからいつまで?


お正月はいつからいつまでのことを言うのでしょうか。

正月三が日の1月1日~3日、または松の内の1月1日~7日の間というのが一般的な感覚です。

しかし、厳密には正月の「正」という字は「年のはじめ」という意味があり、正月とは「年のはじめの月」という意味ですのでそれは「1月」を表します。

つまり、正月とは1月1日~31日のことを指すというのが、厳密な解釈になります。

これをそのまま受け取ると、1月下旬にもなって普通に仕事や学校に行くようになっているのに、まだ正月なの?とかなり違和感があるでしょう。

正しい「お正月」の期間の解釈としては、初詣、おせち料理を食べる、正月飾りを飾る、鏡餅を飾るなどのお正月行事をしている期間が、お正月だと言えるでしょう。

つまり、関東だと1月1日~1月7日がお正月と考えて良いと思います。

関西の松の内は1月1日~1月15日なので、お正月は8日ほど長いです。





お正月ですることは?


お正月は「歳神様」をお迎えし、おもてなしし、お送りする行事であることは既にお伝えしましたが、この行事で実際に行うことをあげてみます。

初日の出を見に行く


多くの人が元旦に初日の出を見に行きます。

初日の出を拝むことは歳神様へその年の豊作や幸せを祈るという意味があります。

この習慣は、天皇陛下が元旦に、天地、四方および山稜を拝礼する「四方拝」という儀式を行っており、これが一般の庶民の間にも広がったものであると言われています。

おせち料理を食べる


おせち料理は、漢字では「御節料理(おせちりょうり)」と書きますが、昔元旦や五節句などの節日を祝うときに、神様へお供えし食べていたものを「御節供(おせちく)」と呼んでおり、これがおせち料理の起源です。

本来はお元旦だけに食べるものではありませんでしたが、江戸時代に入り、この御節供が一般庶民にまで広がると、節日の中で一番大切とされるお正月に振る舞われるのが「おせち料理」と呼ばれるようになったというのが起源になります。

初詣


昨年1年過ごせたことに対する感謝と、今年1年の幸せを祈願して神社・寺院を参拝する行事です。

31日深夜にお参りしそこで新年を迎える「二年参り」をするかたが大勢います。

お雑煮を食べる


お雑煮を食べる習慣は、平安時代から始まったと言われています。

お正月にお供えする鏡餅には、歳神様が宿られるとされており、そのお餅を食すことで歳神様の魂のパワーを授かり、今年1年を健康で幸せに暮らせるように守って頂くという意味があります。

お屠蘇(おとそ)


お屠蘇とは、酒やみりんに5〜10種類の生薬を浸け込み作った薬草酒のことで、「屠蘇延命散(とそえんめいさん)」と呼ばれているものです。

これをお正月に飲み、長寿を願います。

この習慣は中国から平安時代に日本へと伝わって来たと言われており、嵯峨天皇時代には宮中行事として行われており、江戸時代になって一般庶民にまで広がった行事です。

お年玉


今では、大人から子供にお小遣いを贈る習慣です。

起源は家長が年少者へお餅玉を与え歳神様の魂を授けていたものが、お金に変容していったものと言われています。

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鏡開き


松の内が過ぎると、お供えした鏡餅を開き(実際は割って)それを食します。

鏡餅には歳神様の魂が宿っているとされ、その魂のパワーを食すことによって授かり、今年1年へ幸せと豊かに恵みをもたらしてくれるとされています。
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七草粥を食べる


1月7日に春の七草が入った、お粥「七草粥」を食します。

これによって、今年1年の無病息災を願います。

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正月飾り


門松、しめ縄、しめ飾りなどの正月飾りを外し、神社で行われている左義長(さぎちょう)と言われる儀式でお清めし、焚き上げで燃やしてもらいます。
1月15日頃にこの行事は行われており、この行事でお正月に区切りを付けることになります。

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終わりに


お正月は、日本の神道行事で一番重要で大きなものです。

この行事に込められている意味は、本当にたくさんの要素がびっしりと詰まっています。

旧暦の立春、年の始まりという時期的要素、お餅という日本の食と年サイクルを司る多様な神様、おせち料理・正月飾りなどの全ての素材に込められた縁起と願い、初詣という礼拝の儀式など、お正月という神の行事は、その意味を探ると日本の命の源泉とその奥深さを垣間見ることができる機会だと感じます。

 

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